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浦和をACL決勝に導く鮮烈アシスト!20歳・橋岡大樹の高精度クロスは先輩たちからの要求の賜物!?

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2019年10月24日

守備力が武器と思われ続けてきた若武者が、本職のウインガーのような仕事を

興梠の決勝ヘッドをお膳立てした橋岡。日頃の練習の成果が大一番で表われた。写真:徳原隆元

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「今日“は”良いクロスだったと言われましたね」

 少しはにかみながら笑顔を見せたのは、浦和レッズの二十歳の若武者、橋岡大樹だった。23日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦、広州恒大(中国)とのアウェーゲームにスタメン出場すると、50分に興梠慎三のゴールをアシスト。これが決勝点になり、1-0の勝利を収めた浦和は、2戦合計3-0で文句なしの決勝進出を決めた。

 昨季に浦和ユースから昇格した橋岡は、クラブとしても期待の存在だった。その1つ前のシーズンからキャンプなどでは参加する姿があり、ルヴァン杯は2種登録のままデビューした。現在チームを率いる大槻毅監督は、ユースで監督を務めていた恩師。トップ昇格が決まると「ロシアを狙っていく気持ちでやれよ」と、わずか半年後だった世界最高峰の舞台を目指せと発破をかけた。それだけのポテンシャルがあると買っていた。

 デビューした昨季から、対人のマークを中心とした守備面には定評があった。すでにJ1のトップクラスで遜色のない存在として、オズワルド・オリヴェイラ前監督も右ウイングバックでレギュラー起用した。その彼が苦しんできたのが、いかに攻撃で貢献できるかだった。

 まずはボールに正対しがちだったファーストタッチを前方に向けるトレーニングを昨季に積んできた。そして、今年のテーマはクロス。槙野智章は「あいつ(橋岡)のクロス練習は、いつも練習後に付き合っているんでね」と話す。この日ゴールした興梠も、「常々あいつには要求しています。前日の練習でも、ずっとクロスを練習していたので」と、厳しい言葉を掛けながらもその努力は認めている。

 そして、この日の決勝アシストはクロスに至る過程も秀逸だった。中盤で阿部勇樹が奪ったボールは、ファブリシオを経由して右サイドの橋岡へ。中央方向に斜めのドリブルでゆっくりと進出すると、相手を前に一気に縦に仕掛けた。それも「トン、トン、トン」と一定のリズムを刻むのではなく、「トン、ト、トーン」と緩急をつけた。そして、相手から少し離れるようにボールを出すと、GKが飛び出せず、相手センターバック2枚の背後、逆のサイドバックの手前に走り込んでくる興梠に「ドンピシャ」のボールという最高のクロスを入れた。

 この仕掛けを橋岡は「中にちょっと仕掛けて、縦が空いたので縦に出して、クロスを思い切り上げればいいかなと思って上げたら、興梠選手がしっかり合わせてくれた」と話す。守備力が武器と思われ続けてきた若武者が、本職のウインガーのような仕事をやってのけた。
 
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