【鹿島】計算された土居聖真のヘディング弾。「足もとで受けるよりは――」

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年10月24日

「相手を走らせるような動きをしようと思っていた」

勝利の立役者となった土居。巧みに敵DFの背後をとり、ヘッドで決勝点を叩き込んだ。写真:徳原隆元

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[天皇杯準々決勝]鹿島1-0Honda FC/10月23日/カシマ

 天皇杯の4強進出をかけたHonda FC戦で、鹿島は土居聖真の一撃で1-0の勝利をもぎとった。65分、遠藤康の正確なクロスにヘッドで合わせてゴールネットを揺らした。

 土居は42分にも右からの折り返しにヘディングシュートを試みるも、これは決めることができず。上手く頭でとらえたものの、シュートに勢いがなく、相手GKに難なくキャッチされてしまった。

 頭でのゴールが特別に多いタイプではないが、この試合ではある意味、必然のヘディング弾だったかもしれない。

「後半、相手も身体にきているなっていうのは分かっていた。足を伸ばす選手も何人かいましたし。だから、もっと相手を走らせるような動きをしようと思っていた。足もとで受けるよりは、裏に抜けたり、長い距離を走ったりして。

 それがジャブみたいに効いていたはずで、相手の足が止まった時に、CBの裏を取ることができた。それを康さんが見ていてくれて、要求したところにボールが来てくれた」

 テクニックに定評のある土居は、足もとで受けても効果的なプレーを繰り出せる。ただ、今回は自らの走力でもって相手の体力を消耗させることに重点を置き、チャンスを生み出した。
 
 それを確実にゴールという結果に結び付けた勝負強さ、決定力の高さは見事の一言だ。ゴールが決まった瞬間、右手で力強く拳を握る姿が印象的だった。少なくない主力選手が怪我で戦線を離脱し、ベストメンバーを組めないなか、土居は相変わらず、頼りになる存在だ。

「僕自身、自信になったし、チームのために仕事ができたという点では、そのために日々、練習しているので」

 チームは一時、“4冠”の可能性があったが、ACLはベスト8で敗れ、ルヴァンカップはベスト4止まり。残るタイトルは、現在首位に立つJ1と天皇杯のみ。“2冠”に向けて弾みをつける意味でも、このHonda FC戦は重要な試合だった。

「J1のチームとやるよりも、本当に難しいゲームだったと思う。天皇杯ならではの独特の試合というか、リーグ戦では味わえない難しさがあった。そこを勝ち切ったのは、今のチーム状況だったり、いろんな部分から見ても良かった」

 またひとつ、逞しさを増した感のある土居が急先鋒に立って戦う。そんな鹿島が再び、勢いを取り戻そうとしている。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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