「ロジャース解任」を求める声はヒステリックな暴論でしかない 【リバプール番記者】

カテゴリ:メガクラブ

ジェームズ・ピアース

2014年11月25日

昨シーズンの破壊力は見る影もない。

誤算続きで12位に沈むリバプールだが、シーズンは3分の1が終わったばかり。ロジャース監督に任せておけば、とピアース記者は論じる。 (C) Getty Images

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 最悪と言っていい滑り出しは、いわば必然だ。ルイス・スアレスを放出し、新エースとして期待されたダニエル・スターリッジが怪我で戦線離脱。加えて8人の新戦力が揃って精彩を欠いているのだから。12節を終え、4勝2分け6敗の勝点14。首位チェルシーに勝点18差の12位に沈む。
 
 ふくらはぎを、次いで太腿を痛めたスターリッジは、かれこれ3か月近くボールを蹴っていない。新加入のマリオ・バロテッリは、まったくの不発。覇気のないプレーの連続で、本領を発揮する気配すらない。
 
 誤算だらけの前線の惨憺たる状況は、こんなデータに表われている。12節のクリスタル・パレス戦――この試合も1-3で敗れた――でリッキー・ランバートが得点を挙げるまで、ストライカー陣はプレミアリーグでひとつのゴールも決められずにいた。昨シーズンは年間101得点をマークした破壊力は、いまや見る影もない。
 
 歩調を合わせるように、守備陣も安定感を失っている。デヤン・ロブレン、アルベルト・モレーノ、ハビエル・マンキージョの新加入組が振るわず、スアレスを失った攻撃力の低下は守備力である程度補おうというロジャースの算段は外れている。
 
 なかでも失望を買っているのがロブレンだ。2000万ポンド(約34億円)の移籍金は、DFとしてはクラブ史上最高額だった。その大きな期待に、押しつぶされてしまっている。
 
 4バックの低調に引きずられてか、守護神シモン・ミニョレのパフォーマンスも不安定で、最後尾がバタつくから4バックも落ち着きを失うという負のスパイラルが生まれている。
 
 いまやネガティブな空気がチーム全体を覆い、昨シーズンはあれだけ良かったジョーダン・ヘンダーソンやラヒーム・スターリングも、まるで別人のようだ。
 
 ロジャース監督への風当たりも厳しさを増してきているが、しかし、ラジオやインターネットで盛り上がりつつある「ロジャース解任」は、ヒステリックな暴論でしかない。
 
 ファンが望む攻撃的なサッカーで、アンフィールド(リバプールの本拠地)に希望を取り戻したのはロジャースだ。昨シーズンの最優秀監督賞は、決してフロックではない。ロジャース解任は、それを望むこと自体、まったくのナンセンスだ。
 
 そもそも、シーズンはようやく3分の1が終わったところで、ロジャースが掲げた3つの目標、「チャンピオンズ・リーグ(CL)のグループステージ突破、カップ戦での優勝、来シーズンのCL出場権の獲得(4位以内)」のいずれも、まだまだ達成可能だ。
 
 この状況からリバプールを立て直せる人物がいるとすれば、それはロジャースだ。金切り声を上げず、彼に任せておけばいい。
 
【記者】
James PEARCE|Liverpool Echo
ジェームズ・ピアース/リバプール・エコー
地元紙『リバプール・エコー』の看板記者。2000年代半ばからリバプールを担当し、クラブの裏の裏まで知り尽くす。辛辣ながらフェアな論評で、歴代の監督と信頼関係を築いた。
【翻訳】
松澤浩三

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