【日本代表 論評】アギーレに望むのは「絶対に間違いのない選択」

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2014年11月15日

ザックのような「欧州組贔屓」があれば…。

吉田(右)と川島を重用するアギーレの選手起用に疑問。とくに、西川(左)を差し置いて川島を使い続けるのは果たして妥当か。 (C) SOCCER DIGEST

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 スタメン11人の平均年齢は、27・2歳。過去の4試合(ウルグアイ戦が26・5歳、ベネズエラ戦が26・3歳、ジャマイカ戦が25・8歳、ブラジル戦が25・7歳)に比べると、もっとも高齢だった。
 
 34歳の遠藤と30歳の長谷部が現体制下で初めて、香川とともに4-3-3システムの中盤を形成したホンジュラス戦は、左手の怪我が心配された内田も右SBに入り、若手の武藤を除く10人がブラジル・ワールドカップ参戦組と文字通り実績重視のメンバーで臨んだ。
 
 だからだろうか、見るからに“大人”の雰囲気を醸し出していた日本は、開始早々の9分に先制。遠藤のCKにニアで合わせた岡崎が頭ですらし、ファーサイドの吉田がヘッドで押し込んだ。膠着状態が少し続いた時間帯を挟んだ後、41分には、素早い寄せで相手を潰した長谷部のアシストから、GKとの1対1を制した本田が追加点を奪う。そして44分、今度は本田のお膳立てから遠藤が思い切りのいいミドルを突き刺した。チームに落ち着きをもたらしつつ、自らも得点に絡んだ遠藤と長谷部──。ザックジャパンでも重要な戦力だったふたりの活躍が勝因のひとつだったことは、間違いない。
 
「前体制の遺産で勝っただけ」との批判的な見方はあるだろう。ただ、今季後半戦の遠藤はG大阪でナビスコカップ制覇に貢献するなど好調をアピールしており、一方の長谷部も、ブンデスリーガ序盤戦はフランクフルトの一員としてコンスタントに働いている。現在の調子から考えて、彼らの招集にもスタメン起用にも大きな驚きはない。
 
 むしろ気になったのは、吉田と川島の優遇ぶりだ。最近、クラブで出番に恵まれていないふたりをなぜ先発させたのか。人材豊富とは言い難いCBは、「吉田以上のタレントがJリーグにいないから」と言われれば、多少なりとも納得できる部分がある。
 
 しかし、川島はどうか。実際、このホンジュラス戦でも、49分に軽率なパンチングミスからピンチを招くなど不安を覗かせた。先のブラジル戦では相手のシュートを真正面に弾き返して結局はそのボールを蹴り込まれているし、さらに遡れば9月のベネズエラ戦では痛恨のパンチングミスから失点している。試合勘とコンディションでおそらく川島の上を行く西川をスタメンで使わなかったのは、明らかに疑問だ。
 
 特定のメンバーを信頼しすぎたザッケローニ前監督が、ブラジル・ワールドカップでどんな悲劇に見舞われたかは、ここであえて説明する必要はない。「選手選考で絶対に間違えたくない」と強調するアギーレ監督だが、ここにきて疑問符が付く起用が増えてきた。
 
 ホンジュラス戦で途中出場した乾や豊田が揃ってゴールを決めたのも、アギーレの采配が当たったというより、戦闘力もモチベーションもまるでなかったホンジュラスがただ単に弱かったからではないのか。
 
 その時点でのベストメンバーを選ぶのが、代表監督の仕事。前任者のザッケローニのような欧州組贔屓とも取れる選考・采配が続けば、チームから競争意識が失われてしまう。ブラジルでの悲劇を繰り返さないためにも、アギーレ監督には「絶対に間違いのない」選択を望みたい。
 
取材・文:白鳥和洋(週刊サッカーダイジェスト)
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