「ヴェンゲル後」の体制確立へ…アーセナルには敏腕SDが必要だ

カテゴリ:移籍情報

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2019年05月18日

元バルサのサンジェイは強化向きではない。

エメリ監督とクラブを繋ぐ強化のエキスパートをアーセナルは探している。(C)Getty Images

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 アーセナルでは、20年以上に渡り文字通りの「イングランド流マネジャー」として現場だけでなく強化のすべてを取り仕切っていたアーセン・ヴェンゲルが昨夏に退任。強化部門は今なお新たな体制を構築するその途上にある。
 
  CEOだったイバン・ガジディスがミランに引き抜かれた昨年9月からは、フットボール部門のトップに18年1月にバルセロナから招聘したラウール・サンジェイが就いているが、彼は強化というよりもクラブ全体のマネジメントのエキスパート。最近はウナイ・エメリ監督とセビージャ時代の盟友だったモンチ(今年3月にローマSDを辞任し、セビージャに復帰)の招聘に乗り出した事実からも、チーム強化を専門とする敏腕SDを必要としていることが伺える。
 
 ヴェンゲルが築いた優秀なスカウティング部門は健在で、10代タレントの青田買いに関してはかつてのセスク・ファブレガスから最近のマテオ・ゲンドゥジに至るまで定評と実績がある。主力クラスよりも若手の発掘・獲得に強みを持つクラブだ。ただ、トップレベルの選手獲得においては、年俸や移籍金ではライバルに見劣りする関係もあり、それほど高い競争力は持っていない。
 
 経営トップと現場を結ぶ強化責任者が不在である一方、エメリ監督もリバプールのユルゲン・クロップやA・マドリーのディエゴ・シメオネ、マンチェスター・Cのジョゼップ・グアルディオラのように、強いパーソナリティでチームを統率するカリスマ性の持ち主ではない。それを担うべきSDをまだ決めることができずにいる現状では、チームマネジメントに関して高い評価はつけられない。
 
 クラブ全体としてまずは、「ヴェンゲル後」の体制を確立することが急務と言えるだろう。
 
 
[アーセナルの強化部門&フロント採点]
●スカウティング:8.5点
●交渉力:7点
●チームマネジメント:6.5点
(すべて10点満点)
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※ワールドサッカーダイジェスト2019年5月16日号より転載。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
 

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