第11節を終えて、現在リーグ首位に立っているFC東京の躍進を語るうえで、この２トップは外せないだろう。ディエゴ・オリヴェイラと永井謙佑。長谷川監督が標榜するファストブレイクを体現しているふたりの言葉の端々から窺えたのは、互いを尊重し合う、”信頼関係”だった。
──まずは余談から。平成が終わり、令和元年となりました（編集部・注／インタビューは５月１日に実施）。どんな気持ちで新たなスタートを迎えましたか？
永井 （ブラジル国籍の）ディエゴ選手に、それ関係あります（笑）。
──たしかにそうかもしれませんが（笑）、異国の地でこういう瞬間に立ち会えるのは珍しいことですよね？
ディエゴ そうですね。ブラジルの新聞を読んで元号が変わることは知っていました。
──永井選手はどうでしょう？ 平成から令和になって。
永井 僕、“元年生まれ”ですからね。少し寂しい部分はあります。
──「自分も歳を取ったな」とか、そんな感覚の寂しさですか（笑）？
永井 年老いた感覚はないですが（笑）、ただ、元号違いの元年生まれがこれから出てくると思うと楽しみではあります。平成から令和になったので、新たな時代の流れを感じつつ、自分も改めてチャレンジしようという気持ちになります。
──余談をもうひとつ。ディエゴ選手、自身のこのインタビュー（本誌２０１６年５月26日号）を覚えていますか？ ディエゴ選手が30冊も購入してくれたという、ある意味、伝説の号です。
ディエゴ もちろん、覚えています。そういう記事をスクラップしてまとめるのが好きでね、ブラジルにいるお母さんが。だから、買って向こうに送りました。
──編集部としては、今回も期待しています（笑）。
永井 ディエゴ、営業されているよ。（笑）
ディエゴ ハハハ。
──永井選手はプロになった頃、インタビュー記事が掲載された雑誌を買ったことはありましたか？
永井 いや、まったく。プレーすることに集中していました。
──では、本題に入りましょう。ＦＣ東京のここまでの快進撃を語るうえで、ふたりのコンビネーションの良さは特筆に値します。
ディエゴ （昨年から）公式戦でコンビを組む機会が多く、良い関係を築けています。自分が疲れている時は永井選手が人一倍走ってくれて、逆に永井選手が疲れている時は僕が頑張って走る。そういうところは互いに意識しながらできています。もちろんピッチの外でも仲は良いです。試合前のロッカールームでも「ディエゴ、今日も決めてよ」とか、気さくに声をかけてくれますし、感謝しています。
永井 目の前でそう言ってもらえて素直に嬉しいです。ディエゴ選手はめちゃくちゃ良い人。それはメディアの皆さんも感じていると思いますが、ディエゴ選手はひとりの人間としても本当に素晴らしいですよ。
ディエゴ （永井のコメントを通訳してもらったあとに）ケンスケ、アリガトウ!!（笑）
以下続―――。
(『サッカーダイジェスト』５月23日号48ページ掲載記事から抜粋／取材・文●白鳥和洋『サッカーダイジェスト』編集長）
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