昨季4位躍進の町田が苦戦…特徴を消しに来る相手に対抗策は見出せるのか?

カテゴリ:Jリーグ

郡司 聡

2019年05月08日

“昨季を超える”をスローガンに掲げる町田。相手の警戒感も高まるなかで…

今季は12節を終えて16位に甘んじる町田。ここから上位へと巻き返せるか。写真:田中研治

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 それはもう、サッカーの“宿命”と言うしかない。
 
 対戦相手の特徴を消し、弱点を突く。相手があって初めて成立するサッカーというスポーツにおいて、そうした戦い方は、勝利への常套手段でもある。ましてや、昨季は4位という成功を収めたチームは、当然対戦相手からのマークも厳しくなる。このように対戦相手の研究が進み、苦しむ今季の町田を象徴する試合が、直近の首位・水戸とのゲームだった。

 
 最終ラインの背後で起点を作る狙いの町田に対して、水戸は「全体の陣形をコンパクトに維持しながら、相手が蹴ってくるタイミングで先に下がること」(細川淳矢)を徹底。水戸は町田が攻撃におけるポイントの一つとして定めている背後のスペースを消してきた。
 
 戸高弘貴は言う。
「チームとしてこうやるというスタイルが決まっている中で、相手はその特徴を消してくるのが当たり前で、どうすればゴールをできるのか、チャンスを作れるのか。今日だけの話ではないですが、自分たちの良さを消す戦い方をされてきた時にうまくできないことが課題です」
 
 相手が背後のスペースを消してくるのであれば、相手の背後を突くロングボールをある程度封印。最終ラインと中盤の間などに生じるスペースを突き、ボールに複数人が関わる“ワンサイドアタック”でゴールへの道筋を探る。水戸戦では53分と62分に作り出したチャンスが、その形に当てはまる。ところが、「ゴールに迫る」(森村昂太)チャンスでゴールを奪えなかった町田は、62分の決定機が阻止された直後の63分に失点を喫する。
 
 ハイラインをベースとする最終ラインの背後を、茂木駿佑によるダイレクトフィードで切り裂かれると、裏へ抜け出した黒川淳史に先制点を奪われてしまった。さらに83分、志知孝明がキッカーを務めたFK崩れの展開から、最後は浅野雄也にミドルシュートを決められて万事休した。
 
 攻守表裏一体型のスタイルを基軸とするチームにとって、思うに任せない攻撃面が守備面にも波及。ゴールがなかなか奪えない状況のなか、後ろが堪え切れずに失点を喫する悪循環に陥っている。
 
 12節を終えて、複数得点はわずか1試合。昨季猛威を振るったセットプレーによる得点力が低下し、最近は中島裕希の負傷離脱による影響も決して小さくない。もちろん、町田もただ手をこまねいているわけではない。
 
 森村は言う。
「いまの自分たちは、間を使って前向きな選手を作りながらゴールに向かっていく作業にトライしている最中。ここ3試合は勝点1しか取れていないですが、一人ひとりがそこに向き合わないと、向上していかないと思う。余計なことを考えずそこにフォーカスをして、その中で自分のやるべきことをやっていきたいと思っています」
 
“昨季を超える”をスローガンに掲げる今季の町田は、サッカーの宿命に抗う挑戦を、これからも続けていく。その先にある、明るい未来を掴み取るために。
 
取材・文●郡司 聡(フリーライター)

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