現地時間４月13日、セリエA第32節、スパル対ユベントスが開催された。

　２位ナポリに勝点20差をつけているため、残り６節となった今節で引き分け以上の結果を残せば、欧州５大リーグで史上最長となる８連覇を達成するユーベ。この日のメンバーは、３日後に行なわれるアヤックスとのチャンピオンズ・リーグ準々決勝第２レグを見据えて、大黒柱のC・ロナウドや司令塔のピャニッチら複数の主力を招集外とした。

　主力の代役として、U-23やプリマベーラでプレーするカスタノスやゴッツィといった若手を起用したユーベは、残留争いを繰り広げる15位スパルを相手に、序盤は主導権を握った。しかし、当然、普段のような迫力がなく、次第に相手にペースを奪われていった。

　それでも絶対王者は地力を見せつける。30分に均衡を破るのだ。右サイドからカットインしたカンセロのミドルシュートがエリア内にいたケーンの足に当たってボールがゴールへと吸い込まれた。

　俊英FWの４試合連続弾で先手を取ったユーベは、そこからまたしてもスパルにボールポゼッションを許したが、１点のリードで精神的な余裕も得たことで危なげなく凌いで、ハーフタイムを迎えた。

　無失点で前半を終えたユーベだったが、後半開始早々に堅守を打ち破られる。49分、右CKからボニファーツィに豪快なヘディングシュートを叩き込まれてしまったのだ。
 

　試合を振り出しにしたことで、俄然、勢いの増すスパルに対し、受け身に回ったユーベは、珍しく自陣に釘付けにされた。

　しかし、引き分け以上でスクデットを手に出来ることもあって、アッレーグリ監督は、あくまでCLを意識した采配を見せる。61分には18歳のカビリア、69分に20歳のマビディディと矢継ぎ早に若手をピッチに送り込んだ。

　経験の浅い若手がピッチに揃ったなかで、普段のような威風堂々とした雰囲気を欠いたユーベ。かたやスパルはホームで王者を一泡吹かせてやろうと攻勢を強めると、ついには逆転の一撃を見舞う。74分、ゴール前の混戦から最後は37歳のベテランFWフロッカリがねじ込んだのだ。

　逆転弾を浴びたユーベは、81分にCBのバルザーリを下げて、イタリア代表MFのベルナルデスキを投入し、ようやく攻撃への移籍を強めたものの、残留に向けて重要な勝点を持ち去ろうとするスパルの手堅い守備を突き崩せなかった。

　結局、試合は２-１でスパルが勝利。同クラブがユーベから勝利したのは、実に1957年２月10以来、約52年ぶりの快挙となった。これにより、注目を集めたイタリアの絶対王者の通算35度目のスクデット獲得の行方は、14日に行なわれる２位ナポリの試合結果を待つこととなった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部