【川崎】ピッチに戻って来た背番号10。大島僚太が鳥栖戦で見せた別格の存在感

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2019年04月15日

「少しでも早くフルでできるようにやっていきたい」

鳥栖戦で戦列復帰した大島。ボランチとして躍動した(C)J.LEAGUE PHOTOS

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[J17節]鳥栖0-1川崎/4月13日/駅スタ

 彼がいるとここまで変わるものか。それほど、鳥栖戦の大島僚太の存在感は別格だった。

 ACLとの強行日程の影響もあり、今季の川崎は怪我人に苦しめられている。鳥栖戦も中村憲剛、守田英正、車屋紳太郎らキーマンを欠いてのゲームとなった。

 ただこの一戦で戦列復帰したのが頼れる背番号10・大島だ。3節の横浜戦のウォーミングアップ中に左太ももに違和感を覚えた大島はその後、戦線を離脱。貴重な中盤のコンダクターを失ったチームは、なかなか調子が上げられず、リーグ戦は1勝4分1敗、ACLは1勝2敗と苦しい戦いが続いていた。

 特に試合終了間際に痛恨の失点を喫し、0-1で敗れた4月10日のACL・蔚山戦は持ち前のパスワークが影を潜め、攻撃の形を作れなかっただけに、不安を掻き立てられる出来に終わっていた。
 
 ただ1-0で勝ち切った鳥栖戦は「課題は多い」と選手たちは口々に振り返ったが、川崎らしいパスワークが随所で見られた。その中心にいたのが大島だった。抜群のキープ力を誇る10番は味方からボールを引き出しながらシンプルにパスを配給。その正確性は圧巻で、ほぼノーミスで味方へとボールをつないだのだ。

 もっとも当の本人は「相手がどこにプレッシャーをかけようとしているのかを考えつつ、相手は力をかけて守備をしている感じがしたので、あまり無理に行き過ぎないようにというか、どうやったら空いてくるかなと考えながらやっていました。サイドを早く使うところも意識しましたが、あまり覚えていないです。久しぶりすぎて」とあっけらかんと話す。

 ただこれまで負傷を繰り返してきたからこそだろう。「怪我なく終われたのでとりあえず良かったです」という言葉には安堵の想いがこもっていた。

 この日の出来を訊けば、「気を付けながらやっていましたが、まだまだのところ、細かいところを挙げれば色々あるので、少しでも早くフルでできるようにやっていきたいです」と口にする。

 これからさらにコンディションは上がるのだろう。そう考えると、頼もしい男が帰って来た川崎も今後、調子を取り戻す可能性が高い。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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