アロンソとベナティア――注目の新戦力2人の素顔【バイエルン番記者】

カテゴリ:メガクラブ

パトリック・シュトラッサー

2014年10月02日

「我々のもっとも重要な新戦力だ」

いち早くチームに溶け込み、早くも中盤に君臨するシャビ・アロンソ。クラブハウスでの評判は――。 (C) Getty Images

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 シャビ・アロンソが歴史に名を残すのに必要としたのは、たったの6試合――。ブンデスリーガ6節のケルン戦、2-0で勝利した試合で、シャビ・アロンソは204回のボールタッチを記録した。これはブンデスリーガ史上最多記録だった。
 
 シャビ・アロンソはパスの天才で、「我々のもっとも重要な新戦力だ」と名誉会長のフランツ・ベッケンバウアーは賛辞を惜しまない。その通り、バスティアン・シュバインシュタイガーとチアゴ・アルカンタラが故障で離脱した中盤に、シャビ・アロンソは早くも君臨している。
 
 チーム内でも非常に愛されている。物静かで、接しやすい性格で、チームメイトには自分からどんどん近づいていった。同胞の存在も助けになったようだ。バイエルンには、ジョゼップ・グアルディオラ監督以下、ハビ・マルティネス、チアゴ、ファン・ベルナト、ホセ・マヌエル・レイナとスペイン人が多数在籍している。
 
 2009年にテレビ俳優でモデルのナゴーレ・アランブルと結婚。息子が1人と娘が2人いて、ピッチ外では家族と過ごすのが好きだという。バイエルンのクラブハウスでは、着ている服がクラシカルでエレガントだと評判だ。
 
 一方、今夏に獲得したもうひとりの大物新戦力は、やや適応に苦しんでいる。ローマからやって来た、モロッコ人の父親とアルジェリア人の母親を持つメハディ・ベナティアだ。ここまで公式戦の出場はわずか3試合で、ブンデスリーガデビューは6節のケルン戦まで待たなければならなかった。
 
 チーム内で母国語のフランス語を話すのがフランク・リベリだけで、その点でシャビ・アロンソより環境への戸惑いがあるのかもしれない。それでもダンチやラフィーニャ、クラウディオ・ピサーロのラテン組と打ち解け、当初のホテル住まいからセシール夫人、娘のリナちゃん、息子のカイス君とともに新居に移った私生活も軌道に乗り始めた。
 
 どちらかといえば控えめなタイプで、愛するのは「子供たちとシエスタをすること」だと言う。コーランを読んで心を落ち着かせ、ツイッターを楽しむそんな一面もある。
 
 しかし、ピッチの上では全く違う人間だ。「ピッチでの僕は、容赦ないし、嫌な奴だ。プレーしている時の僕に、友達はいない」と語る。
 
 ウディネーゼで3年、ローマで1年プレーしたイタリアでは、揺るぎのない定評を確立した。セリエA屈指の守備者という定評だ。バイエルンがローマに支払った移籍金は2800万ユーロ(約39億2000万円)。これは記録だ。ブンデスリーガの歴史上、ディフェンダーにこれ以上の移籍金が支払われたことはない。
 
 
【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
【翻訳】
円賀貴子

このダンチ(右)やラフィーニャなどラテン勢と打ち解け、徐々に本領を発揮しつつあるベナティア(左)。ピッチでの自分をどう表現したのか――。 (C) Getty Images

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