【鹿島】勝利への貪欲な姿勢――交代後、テクニカルエリアでも内田篤人は“戦っていた”

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年03月31日

「もったいない。今日は勝たなければいけなかった」

ベンチに下がった後でも、テクニカルエリアで内田は大岩監督と同じぐらいの存在感で、チームメイトに声をかけていた。写真;徳原隆元

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[J1第5節]磐田1-1鹿島/3月30日/ヤマハスタジアム

 とにかく勝ちたい。勝たなければならない。なぜなら、優勝したいから。タイトルを獲るためには、是が非でもここは勝っておきたい――。

 そんな切実な想いが、内田篤人を駆り立てたのだろう。

 鹿島ベンチのテクニカルエリアぎりぎりまで出て、ピッチに向かって声を張り上げる。1-1のドローに終わった磐田戦で先発した内田は、58分に途中交代。以後、ベンチコートに身を包んでいた鹿島の背番号2は、タッチラインのすぐ近くで、勝利への飽くなき欲望を全身から発するかのように、熱心に指示を出していた。

 チームを鼓舞するための意図的な行動かと思われたが、そうではなかったようだ。純粋に、勝ちたかっただけだ。

「いやもう、優勝するなら、こういうチームからアウェーでも勝点3を取らないと。今日、戦ってみた印象で言うなら、ジュビロは決して状態が良くないのかなと思った。そういうチームに引き分けちゃダメ。もったいない。今日は勝たなければいけなかった」
 
 ベンチに下がっても、ピッチに立ってプレーする選手たちと同じように、内田は“戦っていた”。常勝軍団のキャプテンとしての強い責任感が、強烈に伝わってきた。

 こうした振る舞いがどれだけ選手たちを奮い立たせるか。絶大な影響力があるのではないかと、こちらの感想をぶつけると、内田は「グラウンドに立っていなければダメ」とぴしゃり。あくまでも、プレーで示さなければならないと考えている。それでも、いくばくかの歯がゆさを感じながらも、内田は全身全霊を傾けて、最後まで勝利を追い求めていたのは間違いない。そんな姿が、実に頼もしかった。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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