［キリンチャレンジカップ］日本 １－０ ボリビア／３月26日／ノエビアスタジアム神戸

　試合に蹴りを付けたのは、途中から投入された”新ビッグ３”だった。
 
　３月26日に行なわれたキリンチャレンジカップのボリビア戦。スタメンには、１トップに鎌田大地、1.5列目に香川真司、2列目は右に宇佐美貴史、左に乾貴士が起用された。しかし、前半はボールを保持しながら０－０。後半に入っても攻撃は噛み合わず、堪らず森保一監督も動いた。

　61分に宇佐美と乾を下げ、堂安律と中島翔哉を投入。さらに68分に小林祐希と香川真司を下げ、柴崎岳と南野拓実をピッチへ送り込んだ。すると、徐々にコンビネーションが円滑になり、76分には堂安、南野を経由し、中島が値千金の決勝弾を決めた。
 
　堂安、南野、中島の”新ビッグ３”が活躍し、平成最後の代表戦を制した試合後に乾が口を開いた。
 
　思い通りにいかなかった前半を振り返り、乾はハーフタイムに改善点を出し合ったという。

「もう少しコンビネーションを増やしたり、サイドの関係性をもうちょっと上手くやっていこうという話がありました」
 

　気持ちを新たにして挑んだ後半。惜しい場面もあったものの、自身はゴールに絡めずに途中交代。悔いが残る一戦になったのは確かだろう。

　ボリビア戦の前、乾は代表生き残りに向けて危機感を露わにしていた。だからこそ、欲しかったのは結果。試合後にも「アピールできなかったら、ほかの選手もいるので、最後（の代表戦）になる可能性もある」と、改めて悲壮な想いを明かしていた。
 
　だが、そうした想いは今回の代表活動で湧いてきた気持ちではないのだ。
 
「プレッシャーはないけど、そういう（危機感に対する）想いは常に自分の中である。今思ったことではない。１年おきに呼ばれていて、常に呼ばれているわけではないので」
 
　香川のように常時代表で主力を担ってきたわけではない。だからこそ、代表で可能性を示せなければ、チームから外される事実を誰よりも理解している。
 
　乾は今年の６月に31歳を迎えるだけに、今後はベテランとして扱われる機会も増えるだろう。2020年のワールドカップを考えれば、チャンスはそう多くないかもしれない。だが、誰よりも代表の難しさを理解する男は再び日の丸を背負うべく、スペインの地で走り続けるつもりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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