ディ・マリアの穴が埋まらず…。
リーガ・エスパニョーラの開幕3試合で、レアル・マドリーはすでに2敗を喫した。クラブの長い歴史を振り返っても、開幕から3試合で2敗したシーズンに優勝した例はない。「デシマ(10度目のチャンピオンズ・リーグ優勝)」を達成した昨シーズンのような力強さがまるで感じられない。その理由は何なのか――。
[考察1]
小さくないディ・マリア放出の穴
カルロ・アンチェロッティ監督は昨シーズン、アンヘル・ディ・マリアのポジションを変更した。サイドから、4-3-3の左インテリオール(インサイドハーフ)へとコンバート。これが見事にハマった。チームは攻守のバランスとダイナミズムを同時に手にし、デシマへと突き進んでいった。
そのディ・マリアの穴が埋まっていない。アンカーのトニ・クロースと右インテリオールのルカ・モドリッチを助ける存在が、中盤に見当たらないのだ。
サミ・ケディラは故障で離脱中、ハメス・ロドリゲスはそもそも特性が違う。より前線で能力を発揮するタイプだ。
ガレス・ベイルを中盤に下げる選択肢も考えられるが、そうすると前線が推進力を失う。アシエル・イジャラメンディは、まだまだ力不足のようだ。出場機会すら与えられていない。
中盤の不安定は、開幕3試合で見られた共通の問題である。
[考察2]
依然として脆いセットプレーの守備
2-4で不覚を取った2節のレアル・ソシエダ戦でも、1-2で敗れた3節アトレティコ・マドリー戦でも、セットプレーから失点した。明らかなのは集中力の欠如だ。この問題を改善しなければ、先はないだろう。
2点をリードしながらまさかの大逆転で敗れたR・ソシエダ戦は、1点目と4点目をCKから奪われた。アトレティコに許した先制点もCKからだった。
アンチェロッティ監督は「インテンシティーの欠如」と話しているが、それをチームに植え付けるのはほかでもない、アンチェロッティの仕事だ。
[考察3]
C・ロナウド依存症も相変わらず
クリスチアーノ・ロナウドが解決してくれる――。決して100パーセントの状態ではなくても、ロナウドならどうにかしてくれるだろうと、誰もがどこかでエースに決定的な仕事を期待しているのだ。実際、アトレティコ戦で唯一の得点となるPKを得たのも、ドリブルで仕掛けたロナウドだった。
奮起しなければならないのは、ベイルやハメス、カリム・ベンゼマだ。パーソナリティーを発揮して、前線を牽引しなければならない。
【記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
【翻訳】
豊福晋
[考察1]
小さくないディ・マリア放出の穴
カルロ・アンチェロッティ監督は昨シーズン、アンヘル・ディ・マリアのポジションを変更した。サイドから、4-3-3の左インテリオール(インサイドハーフ)へとコンバート。これが見事にハマった。チームは攻守のバランスとダイナミズムを同時に手にし、デシマへと突き進んでいった。
そのディ・マリアの穴が埋まっていない。アンカーのトニ・クロースと右インテリオールのルカ・モドリッチを助ける存在が、中盤に見当たらないのだ。
サミ・ケディラは故障で離脱中、ハメス・ロドリゲスはそもそも特性が違う。より前線で能力を発揮するタイプだ。
ガレス・ベイルを中盤に下げる選択肢も考えられるが、そうすると前線が推進力を失う。アシエル・イジャラメンディは、まだまだ力不足のようだ。出場機会すら与えられていない。
中盤の不安定は、開幕3試合で見られた共通の問題である。
[考察2]
依然として脆いセットプレーの守備
2-4で不覚を取った2節のレアル・ソシエダ戦でも、1-2で敗れた3節アトレティコ・マドリー戦でも、セットプレーから失点した。明らかなのは集中力の欠如だ。この問題を改善しなければ、先はないだろう。
2点をリードしながらまさかの大逆転で敗れたR・ソシエダ戦は、1点目と4点目をCKから奪われた。アトレティコに許した先制点もCKからだった。
アンチェロッティ監督は「インテンシティーの欠如」と話しているが、それをチームに植え付けるのはほかでもない、アンチェロッティの仕事だ。
[考察3]
C・ロナウド依存症も相変わらず
クリスチアーノ・ロナウドが解決してくれる――。決して100パーセントの状態ではなくても、ロナウドならどうにかしてくれるだろうと、誰もがどこかでエースに決定的な仕事を期待しているのだ。実際、アトレティコ戦で唯一の得点となるPKを得たのも、ドリブルで仕掛けたロナウドだった。
奮起しなければならないのは、ベイルやハメス、カリム・ベンゼマだ。パーソナリティーを発揮して、前線を牽引しなければならない。
【記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
【翻訳】
豊福晋