セビージャで数々のヒット補強を生んだ敏腕ディレクターのモンチは、2017年４月からローマで新たな挑戦に臨んでいる。昨季、チームはチャンピオンズ・リーグ（CL）でベスト４と躍進した。だが今季は、不安定な戦いが続き、エウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督の進退が騒がれている。

　24節を消化したセリエAで、ローマはCL出場ラインとなる４位のミランに勝点１差の５位。CLでは決勝トーナメント１回戦でポルトに２-１と先勝したが、コッパ・イタリアでは準々決勝でフィオレンティーナに１-７と屈辱的な大敗を喫し、批判にさらされた。

　シーズンを通じてたびたび解任が噂されたディ・フランチェスコ監督だが、モンチは“一蓮托生”を強調。いら立ちを見せるジェームズ・パロッタ会長をなだめ、指揮官を支え続けている。だが一方で、今シーズン限りでディ・フランチェスコ監督とモンチSDがセットで現職を去るとの噂も後を絶たない。

　そして実際にモンチがローマを去ることになった場合、新天地はプレミアリーグになるかもしれない。スペイン紙『Marca』や英紙『Daily Mail』はアーセナルへの移籍を報じた。
 

　アーセナルのウナイ・エメリ監督は、2013年１月から３年半にわたってセビージャを率い、モンチとともにEL３連覇という偉業を達成した指揮官だ。『Marca』紙は、「モンチが６月いっぱいでローマを離れ、エメリとの再会をめざす」と、スペイン人コンビ復活の可能性を伝えている。

　一方、『Daily Mail』紙は、アーセナルがモンチにオファーを出すと報道。ローマとの契約には約100万ポンド（約１億5000万円）とみられる契約解除金が設定されているが、アーセナルにとって問題になる金額ではないとし、モンチも以前からプレミア挑戦を望んでいると伝えた。

　アーセン・ヴェンゲル体制に終止符を打ち、今シーズンから新たにエメリ監督を招いたアーセナルは、来シーズンから「元セビージャコンビ」で復権を目指すのか。今後の進展が注目される。