開幕戦でのゴールを虎視眈々と狙う男がいる。ガンバ大阪のサイドアタッカー、小野瀬康介だ。

　昨シーズン前半、Ｊ２のレノファ山口で25試合・10得点を挙げるなどその活躍が認められ、７月31日にＧ大阪へ完全移籍。すぐさま宮本恒靖新監督の信頼を勝ち取り、リーグ戦14試合に出場して３得点をマークし、怒涛の９連勝に貢献した。今シーズンは背番号が50から８に変わり、さらなる飛躍が期待されている。

　土曜日に本拠地パナソニックスタジアム吹田で行なわれるＪ１リーグ開幕戦、横浜Ｆ・マリノス戦に向け、その想いを訊いた。

「２シーズン目ですし、ガンバというチームにも慣れて、自分自身も開幕をとても楽しみにしています。今季はＪ１でも２桁取るのが目標。数字で結果を残したいです。監督からは、前線のふたり（ファン・ウィジョ、アデミウソン）から離されないように、しっかり追いついてプレーするようにと言われています。去年から一緒にやっている選手もたくさんいるし、連携面はより良くなっている。多くのチャンスを作っていきたい」

　背番号８については、「レノファで結果を残せた番号ですし、思い入れがあります。自分にとっては縁起のいい番号」と語る。そして開幕戦の相手である横浜は、昨季にＪ１初ゴールを決めたチームだ。

「相手もメンバーが変わっているし、難しい試合になると思います。ただ、マリノスにはいいイメージがあります。開幕戦で点を取れれば勢いに乗れるので、チームが勝つためのプレーをしていきたいですね」

 

　現在、Ｇ大阪はＪ１におけるホームゲームで通算799得点を挙げている。あとひとつで大台に到達だ。小野瀬は「歴史に名を刻めるチャンスがあるので自分がゴールを取れたらラッキーだな、と思います。とにかく勝ちたいですね」と意気込む。一方で良くないデータもある。実は2011年に勝利して以降、Ｇ大阪は開幕戦の白星から見放されている。

「長い間、開幕戦に勝てていないことにビックリしています。今年は勝ちたい。８年ぶりですか。800ゴールを８番が決めて、８年ぶりに勝ちます」

　そう上手くは行かないですよね、と言って笑みを浮かべた小野瀬。穏やかな表情のなかに、今季への並々ならぬ想いが伝わってきた。

「期待に応えられなければ、見捨てられてしまう厳しい世界。期待されているうちにしっかり結果を残したいです。まずは、チームでの競争に勝てるように、そしてチームが勝てるように、結果を出せるように頑張ります」

　みずからゴールを決め、“８づくし”の開幕戦とできるか。右サイドの仕掛け人、小野瀬康介のパフォーマンスに注目だ。

取材・文●竹島麻里子（フリーアナウンサー）