【FC東京】課題の得点力をアップできるか。長谷川監督は「“第3の男”」に期待!?

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2019年02月15日

開幕スタメンの見通しは…

キックオフカンファレンスに参加した長谷川監督。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 昨季のFC東京はシーズン途中まで優勝戦線に絡みながらも、後半戦の大失速で脱落。結局6位に終わった。中盤戦以降に指摘されたのが得点力不足。重要な局面でゴールを決め切れず、勝ち点を逃した結果、ACLの出場権にも手が届かなかった。
 
 19年シーズン、在任2年目を迎える長谷川健太監督の下でチームが求められるのは、当然ながら得点力だ。昨季の総得点「39」から「55」に上乗せすることがリーグ優勝に近づく条件のひとつだと、指揮官は話している。確かに、森重真人とチャン・ヒョンスが軸の守備陣は安定感抜群だ。昨季の34失点はJ1全18クラブ中2番目に優秀な成績であり、大崩れする可能性はあまり高くない。だからこそ得点力が重要なポイントになってくるのだ。
 
 とはいえ、堅守を維持しながら得点力を高める作業はそう簡単ではない。「昨季は守れていたから、今季は攻撃を厚くして点を取りに行こう」なんて考え方だと、守備まで崩壊する恐れがある。サッカーは攻守のバランスが肝のスポーツで、戦術変更は大きなチャレンジなのだ。
 
 ただ、FC東京が戦術変更に踏み切るかと言えばそうではないだろう。ボランチの橋本拳人に「持ち味である3列目からの飛び出しが昨季よりも増えれば得点力アップは可能でしょうか?」と質問すると、「バランスは崩したくないですね。今のチームで僕の前線への走り込みはそこまで必要ありません」との答が返ってきた。そこから察するかぎり、今季もFC東京の基本スタンスはやはりファストブレイク(速攻)になる。
 
 では、昨季からスタイルを変更しないままどう得点力をアップするのか。長谷川監督は語る。
 
「昨年も守ろうと思って守っていたわけではない。打ち合いになっているけど、打ち勝てない部分があった。PKを外したり、1対1も外して引き分けに終わってしまうとか……。FC東京がベタ引きで守っている試合はほぼほぼないですよ。もちろん調子が悪くて相手に主導権を握られた試合はありますけど、決して守りに行くというわけではない。今年も攻めます。そこで取れるかどうか。取れないと、セットプレーとかカウンターとかでやられる試合が出てきて勝点を稼げないというふうになるかもしれません。
 
ベースの部分で守備とは言っていますが、(総得点)55を目指すのであれば守っているだけではダメ。昨季で言えば前半戦で26ゴール奪っているので、ディエゴ(・オリヴェイラ)や(永井)謙佑がそのままの調子で行ってくれればという感じでしたけどね。昨季13ゴールのディエゴは今季それ以上を期待できるし、昨季5ゴールの(永井)謙佑も今季は10点ぐらいいってくれるかもしれない。“第3の男”が出てくれば違ってくると思いますし、サイドハーフでもっと点を取らないといけない。(東)慶悟なんかも昨季は前半戦で3ゴールも、後半戦は1点しか取れていない。
 
シーズン通して調子を落とさないで戦えれば理想ですけど、それも厳しいので補えるような選手をどれだけ用意できるか、そういう意味では新たな選手も入ったので(55ゴールは)不可能な数字ではないと思います」
 
 第3の男は、横浜から復帰した久保建英か、鳥栖から加入した田川亨介か、昨季J3でチーム最多の9ゴールを決めた矢島輝一か。いずれにしても、昨季のサッカーをベースにリーグ優勝を目指すというスタンスに変わりはない。戦い方がある程度定まっているとしたら、開幕スタメンはどうなるのか。2月15日の練習後、そんなニュアンスの質問を投げかけると、長谷川監督はこうコメントした。
 
「今までいろいろ組み合わせはやってきている。最終的に開幕戦を睨んで合わせていきたい。いろんなポジションもやらせて、それぞれの特長も分かってきたので、(2月16日の練習試合で)最終確認をしたいです。(開幕スタメンについては)大枠はまあ……、ただ、多少の幅は残しているので、最後、この練習試合でそのままのメンバーになるのか、やっぱりこっちのほうがいいのかということを確認したいです」
 
 果たして、どんなメンバーが開幕スタメンに名を連ねるのか、そして昨季以上に洗練されたサッカーを展開できるのか。今季の開幕戦は2月23日、対戦相手はリーグ連覇中の川崎である。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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