セレソンは次なる100年へ――白星発進のドゥンガは現役時代の復讐劇を再現できるか

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2014年09月07日

復活ネイマールが100歳を迎えたセレソンに白星をプレゼント。

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注目を浴びたネイマールの決勝FKが、セレソンの“満100歳”を祝うとともに、次なるW杯での雪辱を誓うドゥンガ監督の“再デビュー戦”を勝利で彩った。 (C) Getty Images

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 自国民を失意のどん底に叩き落とした、衝撃の大敗から約2か月、ドゥンガ新監督の下で再スタートを切ったブラジル代表が、5日にコロンビアと米・フロリダで対戦し、1-0の勝利を飾った。
 
 83分にFKから決勝ゴールを挙げたのはネイマール。ブラジルW杯準々決勝で、コロンビアのファン・スニガに背後からヒザ蹴りを食らい、腰椎骨折の重傷を負ったものの、驚異的な回復を見せて復帰、代表チームでも健在ぶりをアピールした。親善試合とは思えないほどの荒っぽい展開となった試合で、誰もよりも多くピッチに倒されていたのは、やはりこの若き背番号10だった。
 
 この試合のスタメンには、ミランダ、フィリペ・ルイス、ジエゴ・タルデッリ以外はブラジルW杯でメンバー入りした選手。チームの土台はそのままに、しかしドゥンガ監督らしい堅実な4-4-2システムをさっそく採用し、まずは守備の安定からチーム作りを始めることをうかがわせた。
 
 ところで、ブラジル代表、通称セレソンのファーストマッチは、1914年7月21日のエクセター・シティ戦である。あのユリ・ゲラーやマイケル・ジャクソンが上層部に名を連ねたことで有名なイングランド3部リーグ(現在)のチームと、フルミネンセのホームスタジアム、ラランジェイラスで対戦したリオデジャネイロとサンパウロの選抜チームが、セレソンの走りだと言われている。
 
 真っ白なユニホームを身にまとってエクセター・シティ相手に2-0の勝利を飾ってから丸100年が経ってからの最初の試合が、今回のコロンビア戦だった。本来なら、記念の100周年に自国開催のW杯で優勝を飾り、最高の形で“100歳の誕生日”を迎えるという最高のシナリオをブラジル・サッカー連盟(CBF)は描いていたことだろうが……。
 
 重い足を引きずりながら、雪辱と名誉挽回に向けて歩き出した新生セレソンだが、新監督のドゥンガについては、そのCBFによる政治色の強い人事と、2010年南アフリカW杯での失敗(ベスト8)によって、拒否反応を示している国民も少なくない。堅い守備をベースにした堅実なサッカーを信奉し、タレントよりも戦術を優先する点も、攻撃的で魅力的なサッカーを愛する国民からの受けは良くない。
 
 まずは守備を固め、攻撃はふたりの攻撃的MFとFW(コロンビア戦ではウィリアン、オスカール、ネイマール、ジエゴ・タルデッリ)で担い、これにSB(マイコン、フィリペ・ルイス)が絡むというスタイルは、南アフリカW杯同様であり、またドゥンガ監督自身が現役時に優勝を果たした94年アメリカW杯を思い起こさせる。
 
 アメリカW杯といえば、ドゥンガ監督はキャプテンとしてチームを精神的にもリードしながら、4度目の栄光へ導いた。ロマーリオをはじめ曲者揃いの集団をまとめ上げたことで、功労者として称賛されたドゥンガだったが、初めて出場した4年前のW杯(イタリア大会)では早期敗退(ベスト16)のスケープゴートにされるという苦い思いを味わった。
 
 当時のセバスチャン・ラザロニ監督が採用した、セレソンの伝統を覆す守備的な3-5-2システムで中盤の底を担ったドゥンガは、この戦術におけるキーマンのひとりであったが、結果は過去数大会の成績にも及ばないベスト16、しかも宿敵アルゼンチンを一方的に攻め込みながら、ディエゴ・マラドーナのワンプレーで決勝点(得点はクラウディオ・カニージャ)を奪われて敗れるという最悪の結末により、指揮官とともに大会後も長く批判の的に晒されたのである。
 
 結果を優先してエンターテイメント性を排除し、結果的に最悪の結果に終わったというのは、どこか南アフリカW杯に似ている。選手としてのドゥンガは、その後も自身の信念を曲げることなく、予選での不調で大バッシングを受けながらも94年大会ではキャプテンとして見事に雪辱を果たしたが、監督としては2度目の大会で名誉を回復することができるだろうか(本大会まで政権を維持できれば、の話だが)。
 
 もっとも、仮に4年後に好成績を残したとしても、アメリカW杯の時のように、優勝したにもかかわらず「プレーに魅力がない」と批判される可能性が、ドゥンガ監督の場合は十分にある。もちろん結果を残しさえすれば、そんな声を“鬼軍曹”が意に介すことはないだろうが……。
 
 いずれにせよ、セレソンは次なる100年に向かって進み始め、ドゥンガ監督は2度目のW杯に向けて一歩を刻んだ。
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