【釜本邦茂】本当によく守り抜いたサウジ戦のMVPは20歳のDF冨安! 次のベトナム戦に向けたポイントは?

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2019年01月22日

試合全般を通じてやられるような雰囲気はなかったが…

攻守にわたって存在感を示した冨安。値千金の決勝弾は代表のアジア杯最年少ゴールとなった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 90分間、本当によく守った――。

 アジアカップの決勝トーナメント初戦はサウジアラビアに1対0で勝ったが、本当にそのひと言に尽きるような試合内容だった。相手のボール支配率は70%を超えていたが、気持ちを切らさずに集中力の高い守備を継続できたのが一番の勝因だったと思う。

 日本は、最初のコーナーキックで先制点を奪えたことで、展開的に優位には立てたが、その後はポゼッションを許してかなり振り回されてしまった。サウジの一人ひとりのキープ力やつなぐ技術はかなり質が高かった。

 ただし、サウジはボールを支配している割には、決定的なシュートがそれほど打てなかった印象だ。最終ラインは、相手が突こうとするスペースをよく消していたし、何度か右サイドの裏に入られたものの、中央でうまく守ることができていた。日本は局面を破られはしたが、失点につながるような脆さまでは出さなかったと言える。

 終盤は相手もパワープレーで押し込んできたから自陣に釘付けにされたけど、試合全般を通じてやられるような雰囲気はなかったね。どちらかと言えば、一方的に押し込まれたというよりも、「持たせてやっているんだ」という意識の中でブロックを敷いていたようにも見えた。加えて、球際でもしっかり身体を寄せたディフェンスができていたし、11人が組織的に守れた結果と言えるだろう。
 
 しかし、守備面では評価できる試合だったとしても、攻撃面ではほとんど見るべきものがない内容だったと言わざるを得ない。ボールを奪ってマイボールにしても、すぐに奪い返されたり、パスミスで相手に渡してしまったり……。奪った後のパスの精度が悪くて、ボール奪取からカウンターへ流れる道筋があまり見えなかったんだ。

 そういう試合展開では、ただでさえ暑いのに余計に疲労を感じやすくなってしまう。カウンターを発動できずに、ずっと押し込まれたままになれば、判断力も落ちるし、攻撃への出足も鈍くなるからね。奪ってからの切り替え、素早く正確な展開といったところがベトナム戦に向けた課題になるだろう。
 

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