ブラジル・サッカー界の“至宝”ネイマールが、偉大なる先達であるペレの言葉に反論した。現地１月20日、フランス・メディア『Canal』のインタビューに応じたネイマールは、母国の英雄であるペレから受けた批判に対し、「納得できない」とコメントした。

　ネイマールが批判を受けたのは、理由がある。

　その卓越したテクニックと類まれな得点感覚を武器に、次世代のスーパースターとしてのキャリアを歩む一方で、ネイマールは近年、あまりに過剰なシミュレーションが批判を受けていたのだ。

　とくに昨夏にロシアで行なわれたワールドカップ以降、ファウルを受けた後にピッチ上を過剰に転がり回るシーンがフォーカスされ、一部では「ネイマール・チャレンジ」と揶揄され続けている。

　そんなネイマールに対し、意見したのが、ブラジル・サッカー界の「王様」ペレだった。

　昨年12月にブラジル紙『Folha de Sao Paulo』の取材でペレは、「技術的に優れた才能を持っている」とネイマールを褒めるも、「素晴らしいプレー以外の面で彼を守るのは難しい」と言及。過度なシミュレーションを改めるように助言したのだ。

　それから約１か月後、『Canal』のインタビューに応じたネイマールは、「彼の僕に対する批判は面白いね」とペレの意見に対する持論を述べた。

「勝てないと批評家たちはネガティブな面を強調したがるんだ。僕はワールドカップで“演技”をしたつもりなんてない。ただ、ファウルを受けていたんだよ。今の人々は僕のダイブについてよく話すね。

　前にも言ったかもしれないけど、それは何でかって言ったら、『ネイマール』だからなんだよ。ペレの意見？ あれは面白かった。あの考えはリスペクトするけど、僕自身は納得なんかできないね。とにかく僕に関するニュースは、ポジティブなことも、ネガティブなことも、全てが拡大解釈されて報じられる。僕はそれに向き合わないといけない」

　偉大なる先達に反論したネイマールは、さらにパリ・サンジェルマンからの退団が噂される自身の去就についても、インタビュー内で告白している。

「パリを出ていくかって？ 僕はプロになったときからそういった『クラブを出ていくんじゃないか？』っていう憶測に付きまとわれてきた。でも、実際は本当に何もないんだ。何か起きれば、僕はみんなの前で正直に話すよ」

“王様”からの苦言、さらにはメディア上で踊る移籍の噂も、全く意に介さなかったネイマール。我が道を歩むブラジルの至宝は、今後、どのようなプレーヤーへと変貌を遂げるのか？ その一挙手一投足から目が離せない。