ホセ・ぺケルマン監督の退任後、正式な監督が不在となっていたコロンビア代表監督のポスト。同国サッカー連盟は、現在イラン代表を率いてアジアカップを戦っているポルトガル人指揮官、カルロス・ケイロスに、白羽の矢を立てたようだ。コロンビアの『EL TIEMPO』紙などが伝えている。

　同紙によると、１月16日に連盟のラモン・ヘスルン会長ら幹部がアジアカップを開催しているアラブ首長国連邦（UAE）のドバイに向けて出発し、18日にケイロス監督と条件面などの細部の詰めを行なうという。
 
　現在65歳のケイロス監督は、1989年と1991年のワールドユース（現U-20ワールドカップ）でポルトガルを連覇に導き、その手腕が注目されるようになった。その後、代表ではポルトガル、UAE、南アフリカなど、クラブでは母国のスポルティング・リスボン、スペインのレアル・マドリーを指揮し、1996～97年にはJリーグで名古屋グランパスエイト（現名古屋グランパス）を率いた。マンチェスター・ユナイテッド（イングランド）では、アレックス・ファーガソン元監督をコーチとして補佐。2011年からイラン代表で指揮を執っている。

 

　目下、アジアカップでのイラン代表は絶好調だ。グループDで、１月７日にイエメンを5－0と一蹴した後、12日にはベトナムも2－0で下し、2連勝で早々とラウンド・オブ16進出を確定するなど、1976年以来となる4度目の優勝に向けて上々の滑り出しを見せている。ケイロス監督は、昨夏のロシア・ワールドカップでも厳しいグループに入りながら、16強入りまであと一歩のところへ導いた。初戦でモロッコを1－0で破り、スペインには0－1の惜敗。グループステージ最終戦ではポルトガルと1－1と引き分け、欧州の両雄に勝点1差の3位とわずかに及ばなかった。
 
　一方、コロンビア代表はアルゼンチン人のぺケルマン監督の下、ロシア大会初戦で日本に1－2と競り負けながらも、ポーランドに3－0、セネガルに1－0で連勝し、グループリーグを首位で突破。ラウンド・オブ16ではイングランドと延長戦を含む120分の激闘を1－1と譲らず、PK戦で3－4と敗れ去った。2014年のブラジル大会ではハメス・ロドリゲスが大活躍。グループリーグで日本に4－1で快勝するなど、同国史上初のワールドカップ8強入りを果たした。
 
 　なお、『EL PAIS』紙は「3月の国際Aマッチデーに行なわれるふたつの国際親善試合が彼（ケイロス監督）のデビューになるだろう」と報じ、日本、メキシコとの対戦が決まっているという。ちなみに日本サッカー協会は3月22日に横浜国際総合競技場（日産スタジアム）で、同26日にノエビアスタジアム神戸で、ともにキリンチャレンジカップ2019の開催を発表している。