関川は苦難の連続だった高校ラストイヤーの集大成を優勝で飾れるか
[高校選手権・準決勝]青森山田 3(4PK2)3 尚志/1月12日/埼玉
またしても異次元の跳躍力で豪快なヘッドを叩き込んだ。1月12日、流経大柏の怪物CB関川郁万(3年)は高校サッカー選手権の準決勝・瀬戸内戦で、鹿島入団内定の実力を余すことなく見せつけた。2-0で迎えた前半42分、左CKの場面で八木滉史(2年)がショートコーナーを選択。リターンパスを受けてそのままファーサイドへ入れると、大外から走り込んだ関川が高打点のヘッドをネットに突き刺した。3回戦の星稜戦以来となる今大会2点目も得意の頭。“制空権は誰にも渡さない”と言わんばかりの強烈な一撃だった。
準々決勝の秋田商戦でイエローカードを貰っていた関川は累積警告で出場停止になるリスクを考慮されて後半18分にピッチから退いたが、チームは5-0の快勝。青森山田が待つ決勝へと駒を進めた。
「あと1回勝つだけ」。試合後にファイナルへの想いを口にした関川からは並々ならぬ決意を感じられた。それもそのはずだ。前回大会では2年生ながら前橋育英との決勝に出場したものの、終了間際に自身の目の前で決勝点を決められた。あまりにも残酷な結末にがっくりと肩を落とし、憔悴しきっていたのを覚えている人も多いだろう。
あれから1年。埼玉スタジアムのピッチで涙に暮れた苦い経験を糧とし、ついに待ち焦がれていた舞台へとたどり着いた。想いが高ぶるのも無理ない。待ち受ける敵は青森山田。高校年代最高峰のプレミアリーグで何度もしのぎを削ってきただけに、関川はライバル対決に意欲十分だ。
相手も空中戦に絶対的な自信を持っている。192センチの大型CB三國ケネディエブス(福岡入団内定)が構えており、攻守でキーマンになるのは間違いない。いかに彼を抑えるかは試合のポイントになる。当然、関川もその重要性を理解しており、「特別に(三國を)意識することはないですけど、負けたくない気持ちは誰よりも強いです。自信を持っている空中戦は誰にも譲らない」とした。
今季の関川は怪我で序盤戦はリハビリに専念。万全ではない状態で臨んだインターハイ予選では全国行きの切符を掴めず、プレミアリーグEASTでも優勝を逃した。シーズン前に掲げていた「3冠」の夢は潰えたが、最も欲していた選手権のタイトルまであと1勝だ。
「去年の悔しさがあるからこそ、今の気持ちがある。そこで優勝していたら満足していてここまでモチベーションを高く持ってこれなかった」と関川。昨冬の涙を糧に戦い続けてきた男は高校生活の集大成を飾るべく、ファイナルのピッチへ立つ。
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
またしても異次元の跳躍力で豪快なヘッドを叩き込んだ。1月12日、流経大柏の怪物CB関川郁万(3年)は高校サッカー選手権の準決勝・瀬戸内戦で、鹿島入団内定の実力を余すことなく見せつけた。2-0で迎えた前半42分、左CKの場面で八木滉史(2年)がショートコーナーを選択。リターンパスを受けてそのままファーサイドへ入れると、大外から走り込んだ関川が高打点のヘッドをネットに突き刺した。3回戦の星稜戦以来となる今大会2点目も得意の頭。“制空権は誰にも渡さない”と言わんばかりの強烈な一撃だった。
準々決勝の秋田商戦でイエローカードを貰っていた関川は累積警告で出場停止になるリスクを考慮されて後半18分にピッチから退いたが、チームは5-0の快勝。青森山田が待つ決勝へと駒を進めた。
「あと1回勝つだけ」。試合後にファイナルへの想いを口にした関川からは並々ならぬ決意を感じられた。それもそのはずだ。前回大会では2年生ながら前橋育英との決勝に出場したものの、終了間際に自身の目の前で決勝点を決められた。あまりにも残酷な結末にがっくりと肩を落とし、憔悴しきっていたのを覚えている人も多いだろう。
あれから1年。埼玉スタジアムのピッチで涙に暮れた苦い経験を糧とし、ついに待ち焦がれていた舞台へとたどり着いた。想いが高ぶるのも無理ない。待ち受ける敵は青森山田。高校年代最高峰のプレミアリーグで何度もしのぎを削ってきただけに、関川はライバル対決に意欲十分だ。
相手も空中戦に絶対的な自信を持っている。192センチの大型CB三國ケネディエブス(福岡入団内定)が構えており、攻守でキーマンになるのは間違いない。いかに彼を抑えるかは試合のポイントになる。当然、関川もその重要性を理解しており、「特別に(三國を)意識することはないですけど、負けたくない気持ちは誰よりも強いです。自信を持っている空中戦は誰にも譲らない」とした。
今季の関川は怪我で序盤戦はリハビリに専念。万全ではない状態で臨んだインターハイ予選では全国行きの切符を掴めず、プレミアリーグEASTでも優勝を逃した。シーズン前に掲げていた「3冠」の夢は潰えたが、最も欲していた選手権のタイトルまであと1勝だ。
「去年の悔しさがあるからこそ、今の気持ちがある。そこで優勝していたら満足していてここまでモチベーションを高く持ってこれなかった」と関川。昨冬の涙を糧に戦い続けてきた男は高校生活の集大成を飾るべく、ファイナルのピッチへ立つ。
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)