クリスチアーノ・ロナウドの代理人であるジョルジュ・メンデスは先日、C・ロナウド本人が１月の時点でユベントス移籍を望んでいたと明かした。だが当時、その可能性を想像していた人はいないだろう。

　ユーベのファビオ・パラティチSDも、C・ロナウド獲得は不可能だと考えていたという。イタリア衛星放送『Sky Sport』のインタビューでパラティチSDは、「ポルトガル代表の試合を観に行き、子ども用のC・ロナウドのユニホームを買った。彼はいつもそれを着ていたよ」と、息子とのやり取りを明かしている。

「以前息子は、『どうしてC・ロナウドを獲得しないの？』と言っていたよ。私は『それは不可能だからだ』と答えていた。それが実現したんだ。息子に『不可能だったんじゃないの？』と言われ、返事ができなかったよ（笑）」

　パラティチSDは、ジョアン・カンセロの移籍交渉でメンデス代理人と話した際も、「信じないだろうがC・ロナウドはユーベへの移籍を望んでいる」と言われ、「信じるのは難しいと思う」と答えたそうだ。だが、周知のとおり、その大型移籍は実現した。
 

　イタリア国内で圧倒的な強さを誇るユベントスがC・ロナウドを獲得したのは、何よりもチャンピオンズ・リーグ優勝のためだ。『Sky Sport』は、最後にユーベが欧州を制した1995-96シーズンの３トップと、現在の攻撃陣に似た点があると報じた。

　1996年にビッグイヤーを掲げたユーベの前線にいたのは、ジャンルカ・ヴィアッリ、ファブリツィオ・ラバネッリ、そしてアレッサンドロ・デル・ピエロの３人だ。

『Sky Sport』は「背番号10のファンタジスタ」であるデル・ピエロとパウロ・ディバラ、献身性や重要な場面での得点力を誇るラバネッリとマリオ・マンジュキッチ、フィニッシャーとしての決定力に加え、カリスマ性とリーダーシップを備えるヴィアッリとC・ロナウドとが、それぞれ似通っていると伝えている。

　1995-96シーズンの３人は、シーズン合計44得点を記録した。C・ロナウド、マンジュキッチ、ディバラの３人は、12月末の時点ですでに公式戦28得点をマークしている。先輩たちを上回るペースだ。

　セリエAで歴代最多勝点を更新するペースを保ち、向かうところ敵なしといった感のあるユーベ。C・ロナウド加入でさらに強くなったチームは、23年ぶりとなる悲願の欧州制覇を果たすことができるだろうか。