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【大学サッカー】注目株・上田綺世はいかにしてU-21代表まで登り詰めたのか。キーワードは傾聴力にあり

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年12月20日

長山監督の助言を瞬く間にものにし、一気に頭角を現わした

上田の高校時代の武器は速さと強さ。今ではポストプレーなどもそつなくこなし、万能型のFWに成長した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 U-21日本代表で活躍するストライカーに多くの時間は不要だった。
 
 12月19日に行なわれた順天堂大との大学選手権・準決勝。法政大の上田綺世(2年)はスコアレスで迎えた63分にピッチに入ると、わずか4分後に大仕事をやってのける。

 ペナルティエリア手前でこぼれ球を拾った上田は、迷わずにゴール前に侵入。狭いエリアを独力でこじ開け、PKを獲得した。これを自ら決め、チームに値千金の先制弾をもたらしたのだ。終盤に追い付かれて延長後半に勝ち越す展開となったが、上田の存在感はセミファイナルで際立っていた。
 
 上田は鹿島学園高時代から将来を嘱望されてきた逸材。50mを5秒台で走るスピードと類まれな跳躍力を武器に、ストライカーとして評価を高めてきた。一方、玉に瑕なのは怪我の多さで、ポテンシャルを発揮できたとは言い難い。高校最後の公式戦となった2016年度の選手権はコンディションに苦しみ、チームも2回戦で姿を消した。
 
 その後、上田は法政大に進学。プロ入りを果たせなかったとはいえ、実力は指揮官から買われていたため、1年次から出場機会を掴んで瞬く間に評価を上げていった。同年12月にはまるで縁がなかった世代別代表にも呼ばれ、2年生となった今年はU-21代表に定着。8月のアジア大会では幾度もチームを救うゴールを奪い、11月にUAEで行なわれたドバイカップでは大会得点王とMVPの2冠に輝いた。
 
 今ではJクラブから熱視線を注がれるまでに成長を遂げた上田だが、なぜ1年半の大学生活で才能を開花させたのか。その理由を挙げるのであれば、類まれな傾聴力があったからだろう。
 
「ポストプレーが出来なかったので、『それだけ身体が強いのであればできる』ということを伝えたら、すぐにものにした。リーグ戦で守備ができなかったので、そこも言えば、すぐにできた。良い選手の条件だと思うのですが、言えばすぐにできるようになる。だから、代表に行っても、吸収して成長をしてきた。そこが彼の良さ。1年半ぐらいで良い選手に成長してくれましたね」
 
 証言するのはチームを指揮する長山一也監督だ。上田は入学当初から人の意見を聞き入れる能力に長けていた。ひとつの事象を指摘すれば、あらゆることに意識を傾け、自分の能力を磨いてものにする。そのスタンスはU-21代表でも変わらない。

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