12月14日、オーストラリア・Aリーグの第８節が行なわれ、メルボルン・ヴィクトリーは４-２でブリスベン・ロアーを下した。
 
　開幕２連敗からの５連勝で首位パース・グローリーに勝点２差の２位につけているヴィクトリーが、２連敗中でここまで１勝止まりというブリスベンのホームに乗り込んだ一戦。前節で開幕から続いていた連続ゴール・アシストがストップした本田圭佑は、中盤右サイドで８試合連続のスタメン入りを果たした。
 
　試合開始20秒あまりで、ホームチームはこぼれ球をマッケイがダイレクトで叩いてファーストシュート。直後のCKから立て続けに至近距離で決定的なシュートを放つも、ゴールライン上でブロックされる。

 
　いきなり冷や汗をかいたヴィクトリーは、その後もカウンターで危ない場面を迎えるが、ここでは本田が良い動きを見せ、全力で戻ってクロスをクリア、さらにボールホルダーを追って二次攻撃を許さない。
 
　ヴィクトリーに先制点をもたらしたのも、本田の守備だった。13分、彼の敵陣でのインターセプトから、トロイージがゴール前に丁寧なラストパス。これをバーバルセスがダイレクトボレーで合わせてゴールネットを揺らした。
 
　リードしたヴィクトリーは21分、さらなるアドバンテージを得る。ブリスベンのボーテアクがブラウンへのハードタックルで警告を受け、さらにその後のトラブルで退場となり、数的優位に立ったのだ。
 
　しかし26分、ブリスベンはCKでタッガートがニアで惜しいヘッド。GKトーマスが弾いたこぼれ球をタッガートが詰めようとしたところで、本田が背後から倒してしまう。PKを得たホームチームは、タッガート自身が決めて試合を振り出しに戻した。
 
　追いつかれヴィクトリーだが、試合を優勢に進め、32分にブラウンが左サイドを抜け出してクロスを入れると、トイボネンがダイレクトでゴール左隅に突き刺して勝ち越しに成功する。
 
　その後、何度かチャンスを作って迎えた39分、アントニスがペナルティーエリア外からのシュートを放つと、ボールがDFバウルスの手に当たったとしてヴィクトリーはPK獲得。これを本田がGKヤングの逆を突いて決め、自身５点目のゴールを挙げて、リードを広げた。
 
　ところがその３分後、自陣でFKを与えたアウェーチームは、ゴール前に入ったボールをトイボネンが自ゴールに頭で押し込んでしまい、自ら点差を縮めてしまう。
 
　とはいえ、これで流れが変わることはなく、その後も攻勢を維持したヴィクトリーはアディショナルタイム、CKで本田がグラウンダーのボールを入れると、ニアでトロイージがダイレクトでマイナスに折り返し、これをバーバルセスがゴール左隅に流し込む。再び２点差とし、色々なことが起こった前半を終えた。
 
　後半も優勢に試合を進めるヴィクトリーは、ボールを支配してたびたび相手ゴールに迫り、本田も前半以上にゴールに近い位置でプレーをする時間が長くなる。ただ、２点リードのアウェーチームは無理をする必要はなく、またブリスベンが守備の陣形を整えたこともあり、決定機の創出にはなかなか至らない。
 
　局面での当たりの激しさで選手が熱くなる場面はあるものの、試合自体は静かな展開で進み、そのまま終盤戦に突入。86分に本田のクロスを交代出場のアンセルが頭で合わせるも枠には飛ばせず、その１分後にバーバルセスのスルーパスで抜け出したアントニスも、この好機を活かせず、後半はスコアが動かないまま終了した。
 
　雨中の一戦を制したヴィクトリーはこれで６連勝を達成し、暫定で首位に浮上。次節は12月22日、AAMIパークでメルボルン・シティとのダービーマッチ（アウェー）に臨む。