８月16日の開幕戦でスウォンジーに１-２で敗れ、黒星スタートとなったマンチェスター・ユナイテッド。ホームでのシーズン初戦を落としたのは42年ぶりで、手厳しい評価が相次いでいる。
 
　質・量ともに物足りない戦力の不備を指摘する声が圧倒的で、英公共放送局『BBC』の解説者を務めるアラン・シアラーは、
「（開幕戦の）お粗末な結果がかえってよかっただろう。（チャンピオンズ・リーグの出場権が手に入る）トップ４に返り咲くには、ワールドクラスがあと３人は必要だという現実が、“金庫番”にも分かっただろうから。覇権奪回ではない。トップ４に返り咲くために、だ」
　とコメント。さらにBBC解説者陣が口を揃える。
 
「スウォンジーに負けたのは驚きではない。投資、それも賢い投資が必要だ。それが改めて明らかになっただけ」（ユナイテッドOBで昨シーズンはデイビッド・モイーズ監督の下でアシスタントコーチを務めたフィル・ネビル）
 
「チャンピオンズ・リーグ（の出場権）からは何マイルも離れている。単純にクオリティーが足りない。ルーニー、ファン・ペルシ、マタはいい。でも、それに続く人材は？」（ダニー・ミルズ）
 
　英各紙の論評も、以下のように軒並み辛口だ。
 
「文句なしだったプレシーズンの結果ではなく、この（スウォンジー戦の）パフォーマンスこそがファン・ハールが遂行すべき任務の困難さを正確に反映している」（インディペンデント紙）
 
「うんざりするようなデジャブだ。首位に勝点22差をつけられ７位に終わったチーム、ダイナミズムのかけらもなかった昨シーズンのチームを見ているようだ。アイデアが欠落し、青色吐息で辿りついた先が失意の敗北だった」（ガーディアン紙）
 
「ユナイテッドは、ここしばらくのユナイテッドだった。そう、凡庸な。戦術でどうこうなるようなものではない。３バックから４バックへの変更で少しはましになったが、何をしてもクオリティーの不足は覆い隠せないだろう」（デイリーメイル日曜版）
 
「準備期間（プレシーズン）はすべて勝ちながら、最初の試合で負ける。まったく最悪だ。積み上げてきた自信が、これで砕かれてしまうかもしれない。ただ、これは長いシーズンの１試合に過ぎない。優勝が決まるのは今ではない。５月だ」
　そう語ったルイス・ファン・ハール監督は、チームを立て直すことができるのか。さらなる補強はあるのか、その行方とともに目が離せない。