G大阪vs長崎戦で「スタジアムサービスプラットフォーム実証実験」を実施!! その成果は?

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年11月29日

財布を持たずにスタジアムへ――そんな未来が遠くないことを予感させる1日に。

リストバンドをかざすだけでスタジアムへの入場可能。足を止める人がほとんど見られなかった。

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迷いやすいゲートや座席の案内も表示される来場者に優しいサービスも提供された。

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 2018年11月24日(土)、明治安田生命J1リーグ第33節・ガンバ大阪対V・ファーレン長崎が開催されたパナソニックスタジアム吹田で「スタジアムサービスプラットフォーム」の実証実験が行なわれた。
 
 今回は、パナソニック(株)とぴあ(株)がスポーツやエンターテインメントなどのチケッティングを幅広いサービスに対応できるように電子化する試みで、来場者がスタジアム・アリーナで受けることができるスタジアムサービスの向上や新しいサービスの提案を実現させるための実験だ。ここに大日本印刷(株)、三井住友カード(株)も共同参加し、(株)ガンバ大阪の協力のもと実現した。
 
 G大阪のリーグにおけるホーム最終戦となったこの日は、2万7806人の大観衆。そのホーム側で入場するすべての来場者が、ファンクラブ年間パス(ICカードタイプ)、スマホQRチケット、ウェアラブルチケットなどの電子チケットで、入退場のほか、様々なアクティビティに参加できるようになっていた。
 
 特に注目されたのが入退場。通常、G大阪のホーム戦では約半数が紙チケットで入場しているが、この日は、紙チケットを非接触型のリストバンド型ウェアラブルICを活用した電子チケットに交換。興味津々な様子で集まってくるファン・サポーターも見られる中、交換したリストバンドを装着すると、さっそくスマホなどでチャージをしたり、使い方の説明を聞いたりと、足取りも軽く入場ゲートに向かっていく様子が見られた。
 
 入場ゲートでは、パナソニックが開発したタフパットというスマホほどの大きさの端末にリストバンドなどの電子チケットをかざすだけで入場可能となり、足を止める人がほとんど見られなかったのが象徴的だった。さらにこのリストバンドでは、迷いやすいゲートや座席の案内も表示されるなど、来場者に優しい仕組みとサービスを提供しているが、コンコースで販売されるグッズや飲食が、事前にチャージするだけでキャッシュレスとなる機能も備わっている。
 

コンコースで販売されるグッズや飲食が、事前にチャージするだけでキャッシュレスとなる機能も。

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場外では次世代カプセルマシーンやマーケティングフォトブースなど様々なアクティビティにも参加ができる。

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 場外ではスタジアムアクティビティとして、次世代カプセルマシーンやマーケティングフォトブース、その場でリアルチャージができるATMカーなども登場。400セット限定のカプセルマシーンには長い列ができ、新サービスを使いながら限定品をゲットできるレアな体験を楽しんでした。
 
 特に人気を集めたのが『タッチでクーポン』と『スコア予想&ベストサポーター賞』。設置された端末にタッチするだけで自動的に予想&抽選参加ができるサービスで、キックオフギリギリまで、多くの来場者が参加していた。2-1でG大阪が勝利したため、試合後には三浦弦太選手によるベストサポーター賞の抽選も行われ、サッカー観戦にプラスした楽しみに溢れていた1日になっただろう。
 
 2008年から電子化を進めてきたガンバ大阪の山崎美枝 顧客創造部部長は「年間席などを含む約半数の席が電子化チケットになっています。それ以外のチケットの電子化をガンバ大阪として考えてきた中で、今回の実証実験を一緒に行えたことは、新たなチャレンジができたと思います。今日の実験を踏まえ、お客様の声も集めながらさらなる電子化のステップにしていけたらとも感じました」と話した。
 
 さらに「キャッシュレスに関してはチャージをしてもらうハードルが高い。それをどのようにするかなど、まだまだ課題はあります」としながらも「スタジアム内のショップや飲食店では、キャッシュレス対応ができるハード(インフラ)は整っています。それをどのように使ってもらえるかが、今後のさらなる課題です」という。
 
 それでも今回の実証実験では、入退場や飲食購入などの際に大きな混乱はなく、非常にスムーズなサービスの提供がなされていた。課題もあるが、それ以上に、来場者の楽しそうな笑顔が見られたことに、大きな手応えを感じられただろう。
 
「スタジアムプラットフォームは、パナソニックの一つの核としていきたい」と話したパナソニックの井戸正弘執⾏役員は「2020年の実用化を目指し、なおかつJリーグ全クラブでの導入もできたらと考えています。新しいITツールを駆使しながら、お客様に満足度を与えて、スタジアムに来ることによっていろいろな楽しみ方が増えるよう、スポーツの魅力度を上げていきたいと考えています。そして、入場者が増えることによって得たスタジアムの利益を、またスポーツに再投資していきたい」と今後への意欲を見せていた。
 
 スポーツにおける国際大会が続く日本での新たなスタジアム体験やサービスの提供が、Jリーグや日本スポーツの発展や価値向上につながっていく。お財布を持たずにスタジアムへ。そんな未来も遠くないことを予感させる1日だった。
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