11月５日（現地時間）、ブンデスリーガ２部の第12節が行なわれ、ハンブルクは１-０でケルンを下した。
 
　前節終了時には勝点21で並んだ者同士の「首位決戦」（開始前の暫定首位はすでに試合を終えたザンクトパウリ）。得点失点差で上回るケルンをホームに迎えた２位ハンブルクでは、酒井高徳が開幕から続く連続先発出場を継続し、伊藤達哉は前節に続いてのベンチスタートとなった。
 
　１部でも優勝経験のある名門同士の対戦は、ともに立ち上がりから積極的に相手ゴールに迫る一方で、守備でも的確な対応を見せていく。

 
　12分にリッセのミドルでケルンが先にファーストシュートを放つが、徐々に優勢に立っていったのはホームチーム。15分、左SBのD・サントスが中央に切れ込んで右に流すと、ナレイが鋭いダイレクトシュートを放つも、好反応を見せたGKホルンが足でセーブする。直後にはナレイのシュートがCBチコスの手をヒットしたが、ハンドは認められなかった。
 
　ハンブルクの攻勢は続き、28分、アルプが左サイドからドリブルで中央に突き進んでシュート、左ポストを叩く。さらに43分、ホルトビーが右サイドを抜け出し、ゴールライン際からマイナスのクロス。DFに当たって流れたボールをナレイがダイレクトで狙うが、クロスバーを越える。
 
　ケルンの攻めも決して悪くはないものの、チャンスに結びつきそうな場面で、ハンブルクは酒井ら最終ラインがこれをしっかり防ぎ、決定機を作らせなかった。
 
　後半、最初にチャンスを作ったのは、やはりホームチーム。47分にナレイがペナルティーエリア左に抜け出して惜しいクロスを入れ、クリアボールを拾った酒井がゴール前のラゾッガにパスを通すもフィニッシュまでは持ち込めない。しかし直後の攻めで、酒井の縦パスに抜け出したナレイが入れたクロスから、ラゾッガがヘディングシュートを放った。
 
　58分、ケルンは高さを活かした攻めからCKを獲得。ショートコーナーでリッセが左からグラウンダーのクロスを入れ、これをニアでヘーガーが軌道を変えたが、ナレイがゴールライン上でブロックしてピンチを防ぐ。
 
　対するハンブルクは67分、ハントのスルーパスを受けたD・サントスがエリア深くに侵入し、角度のないところからシュートを放つが、ホルンにブロックされる。69分にFKがクリアされた場面では、酒井がダイレクトで叩いたものの、ゴールマウスを捉えられない。
 
　66分にファン・ヒチャンを投入し、さらに攻撃の活性化を図ったホームチームだが、70分に縦パスを受けたギラシーにワントラップからのシュートを許し、冷や汗をかく。しかし３分後、今度はハンブルクが縦パスでファン・ヒチャンが抜け出して決定的なシュートを放つも、ここでもホルンが立ちはだかった。
 
　ケルンは81分にギラシーに代えてFWコルドバを投入。84分には彼が左サイドから高速ドリブルで酒井を振り切ってボールを敵陣深くまで運び、パスを受けたヘクターがフィニッシュまで持ち込むものの、ゴールネットは揺らせない。
 
　まさに一進一退の展開で終盤に入った試合は、86分、ついに均衡が破れる。D・サントスがドリブル突破を試み、エリアに入ったところで強烈なシュートを放つと、ホルンがセーブするが、こぼれ球にラゾッガが反応して押し込み、ホームチームが先制点を奪った。
 
　土壇場でリードしたホームチーム。幾度もケルンに攻め込まれたが、決定的なシュートは許さずに１点を守り切り、５節以来となる首位返り咲きを果たした。なお、今回も伊藤はベンチで90分を過ごしている。
 
　前節に発足したヴォルフ体制の下でクリーンシートでの連勝を飾ったハンブルクは次節（10日）、アウエのホームに乗り込む。