10月30日（現地時間）、南米コパ・リベルタドーレスの準決勝第２レグが行なわれ、アルゼンチンのリーベルが２-１でブラジルのグレミオを下し、２戦合計スコアを２-２とし、アウェーゴール数で上回って３年ぶりの決勝進出を果たした。
 
　ブエノスアイレスでの第１レグを１-０でモノにして本拠地ポルト・アレグレに戻ってきたディフェンディング・チャンピオンに対し、必勝を誓うリーベルは立ち上がりから積極的に仕掛け、開始２分でボッレがスルーパスでペナルティーエリアに侵入するが、シュートはゴール前を通過していく。

 
　縦に速いサッカーを展開し、13分にはパラシオスがゴール左外にわずかに逸れるシュートを放つなど、主導権を握るアウェーチーム。24分に中盤のポンシオが負傷でE・ペレスと交代というアクシデントに見舞われるも、流れを手放すことなく、相手に揺さぶりをかけ続け、28分にもパラシオスが鋭いシュートを浴びせる。
 
　一方、守勢のグレミオは12分にアリソンのエリア外からのシュート以外は、なかなか相手ゴールに迫れない時間が続いたが、31分にカウンターでアリソンが長距離ドリブルでチャンスを作りかけたのをきっかけに、攻撃のかたちが作れるようになり、36分には左サイドをコルテスが攻略して好クロスを上げる。
 
　これはDFにクリアされるも、グレミオはCKを獲得。これがブロックに入ったリーベルに選手に当たって後方に流れたところを、レオ・ゴメスがエリア外からダイレクトで叩いてゴール左隅に突き刺し、貴重な先制ゴールを挙げた。
 
　７割近いボールポゼッションを誇りながらもリードを許したリーベル。決勝進出のためには２点が必要となり、カスコ、ボッレ、パラシオスがきわどいシュートをエリア内外から放っていくが、ゴールネットは揺らせないまま、前半を終えた。
 
　後半、最初に仕掛けたのは、やはりリーベル。47分にパラシオスが最初にフィニッシュまで持ち込むが、クロスバーを越える。しかしグレミオも、前半に比べると積極性を増し、前に出て攻撃を組み立て、62分には交代出場のエベルトンのシュートがGKアルマーニを脅かす。
 
　ボールを支配するリーベルに対し、効果的な逆襲でチャンスを作るグレミオという展開で試合は進み、67分にホームチームはシセロの縦パスにエベルトンが抜け出してGKと１対１の決定機を迎えるが、アルマーニの好守に遭ってトドメの追加点とはならない。
 
　時間の経過とともに、局面での当たりも激しくなっていき、主審がイエローカードを掲げる場面も幾度か見られるようになるなかで、82分、リーベルはFKでマルティネスがゴール前に入れたボールにボッレが頭で合わせてGKグローエの牙城を崩し、ついに試合を振り出しに戻す。
 
　あと１点取れば２戦合計スコアで逆転するリーベルは活気づき、一方のグレミオは巧みに時間稼ぎをしながら、残り時間を乗り切ろうとする。
 
　そして86分、リーベルはスコッコがエリア内でボレーシュートを放つが、これは枠を外れる。ところが、ここでVARが導入され、シュートがグレミオのブレッサンの手に当たったとしてアウェーチームにPKが与えられる。当然、グレミオは猛抗議を展開し、激高したブレッサンが２度目の警告を受け、涙の退場処分となる。
 
　ピッチ上はしばし大混乱となり、長い中断を経て試合が再開された時には、すでに時計は94分を過ぎていた。運命のPK、リーベルはマルティネスがグローエの逆を突いて勝ち越し。そして、トータルスコアでもで逆転するのに成功した。
 
　スタジアムが騒然とするなか、残り時間をしのぎ切ったリーベル。土壇場で蘇り、優勝した2015年以来となる通算６度目の決勝進出を果たした。
 
　準決勝のもう１試合は31日、パルメイラスとボカのあいだで争われる。