すでにだれもがその宣告を予想していた通り、カンプ・ノウでバルセロナに１-５と完膚なきまでに叩きのめされたクラシコの翌日、レアル・マドリーはジュレン・ロペテギ監督を解任した。後任には、レアル・マドリーBを率いていたサンティアゴ・ソラーリを「暫定的」に指名した。

　31日のコパ・デル・レイ（スペイン国王杯）から11月の代表ウイーク突入までの２週間、ソラーリがトップチームの指揮を執ることになったのは、まだ水面下で、イタリア人指揮官アントニオ・コンテとの交渉が続いているためだ。

　コンテとの交渉が難航している理由は、大きく３つに分けられる。

　ひとつは、希望する契約期間の相違にある。マドリー側の「今シーズン＋１年」のオファーに対し、コンテ側はさらに２年を加えるように要求している。

　次に、経済的な問題だ。スペイン紙『OK diario』は日曜日の時点で、コンテはスペインに来るための準備をすでに整えており、唯一の問題は、チェルシーとの違約金をめぐる交渉がまとまるかどうかだけ、と伝えていた。他にも多くのメディアが、コンテがロンドンでチェルシーとの交渉を続けていると報じていた。
 

　とはいえ、これらの問題は解決間近と言われており、事実、クラシコ当日にはコンテのアシスタントコーチ（名前は明かされていない）がカンプ・ノウを訪れ、試合前に行なわれたバルサとマドリーの幹部同士の昼食会にも同席。その席上でペレス会長が「後任はコンテになる」と発表したと、『MUND DEPORTIVO』紙や『Depor.com』の電子版などは伝えていた。

　なのに、なぜこんなにも交渉がこじれているのか。

　３つ目の理由が大きく関係している。それは、コンテ自身のアクの強い性格によるものだ。行く先々のロッカールームで選手と衝突し、スター選手から主役の座を奪ってきたことは多くの人が知るところだろう。

　そして、その関係が悪化した選手のひとりに、マドリーが来夏の補強の目玉として獲得を狙っているチェルシー所属のベルギー代表FW、エデン・アザールがいるのも都合が悪い。コンテが率いる以上、アザールがマドリーのオファーを受け入れるとは到底考えられないからだ。

　また、現在のロッカールームの重鎮、セルヒオ・ラモス、ガレス・ベイル、カリム・ベンゼマといった選手との衝突も避けられないだろうと周囲は見ている。