【番記者通信】コンテとの“幸福な関係”は継続へ|ユベントス

カテゴリ:メガクラブ

ロメオ・アグレスティ

2014年03月10日

今夏の移籍マーケットでは4-3-3導入に向けた戦力補強を?

就任からスクデットを2連覇しているコンテ監督。欧州制覇を目標に、ユベントスとの契約を更新へ。 (C) Getty Images

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 ユベントスとアントニオ・コンテ監督の契約は、更新へ。数週間に渡って話題となってきた交渉は、やはり宿命とも言うべき方向へ落ち着きそうだ。契約期間は2017年6月30日まで延長される運びだ。ピッチの上でさまざまな成功をもたらし、カンピオナート(セリエA)で絶対的な立場を築いたこの幸せな関係は今後も続き、新たなる栄光のストーリーが綴られていくことになりそうである。

 44歳になるコンテ監督にはモナコから強い関心も寄せられたようだが、なんとしてもユベントスでチャンピオンズ・リーグを制覇したいという思いが契約延長へと導いたようだ。彼は引き続きイタリアで最強の立場を保ちながら、国際舞台でのタイトル獲得を切望している。もっともその実現のためには、的確で長期的な補強を地道に今後も続けていかなければならない。

 事実、イタリアのサッカー界は、興行面では活況を呈しているとは言い難い。そうした環境で戦うユーベに対し、ヨーロッパのビッグクラブと対等に渡り合うだけの戦力アップをただちに望むのは非現実的だった。つまり今シーズン、彼らは予算規模に照らし合わせ、戦術的な必要性を熟慮したうえで、カルロス・テベスやフェルナンド・ジョレンテなど、少数精鋭の補強を進めたのである。今後も“マダーマ(貴婦人)”の強化路線はこうしたものになるはずで、そのためには、指揮官の続投を決めることが最優先事項だったのだ。

 さらに付け加えれば、コンテ監督は来シーズンに向けて、システムを4-3-3へ変更することを画策している可能性がある。これはもともとコンテ自身がもっとも好むシステムであり、戦力の不足により棚上げしていたのだ。ジュセッペ・マロッタSD、並びにファビオ・パラーティチSDは、その実現のために必要な戦力を来夏のメルカート(移籍マーケット)で物色するだろう。コンテが必要としているのは、なによりカウンターで威力を発揮するサイドアタッカーで、理想の人材はフィオレンティーナのファン・ギジェルモ・クアドラード(ウディネーゼとの共同保有)のような選手だ。

 今後数週間のうちに、コンテの契約延長は正式に発表される見通しだ。もっともその間、指揮官は目下の試合に集中するだろう。延長それ自体にもはや疑いはない。あとは年間500万ユーロ(約7億円)と目される年俸などの条件面の詰めになってくるが、重要なのはフロントが戦力補強を約束できるかどうかだ。これがなによりコンテをクラブに結びつける理由となり、チームの強化と革新を続けていくための必要な条件となるだろう。

【記者】
Romeo AGRESTI
ロメオ・アグレスティ
1989年トリノ生まれ。著名ジャーナリストで、『ワールドサッカーダイジェスト』誌の連載でもお馴染みのジャンカルロ・パドバンが主宰する雑誌「カルチョGP」で研鑽を積み、現在は『Goal.com』のユベントス番として密着取材。クラブの専門チャンネル『ユベントスTV』にもコメンテーターとして出演する。

【翻訳】
神尾光臣
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