ハッタリではなかった「見とけよ」の一言。約4か月前の南野拓実の本音

カテゴリ:日本代表

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年10月18日

「“やってやるぞ”という気持ちは捨てていなかった」

ウルグアイ戦では周囲の期待をはるかに上回る2ゴールの活躍で勝利に貢献。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 7月12日号のサッカーダイジェスト本誌で、南野拓実のインタビューを掲載した。取材したのはロシア・ワールドカップ期間中、ちょうど西野ジャパンが快進撃を見せていた頃だ。
 
 特集のテーマは「次世代のメインキャストは誰だ!?」。その候補者として南野にスポットを当てた。その旨を伝えると、「期待されるのは、すごくありがたいです」と感謝の意を述べた23歳は、こう続けた。
 
「でも、まずはピッチで答を出さないと。悔しい想いをしているぶん、見とけよって」
 
 A代表デビューは、15年10月13日のイラン戦。だが、その後は「当時の監督の目に留まる活躍ができなかった」と、約2年近く日の丸から遠ざかっていた。それでも、心は折れていなかった。「“やってやるぞ”という気持ちは捨てていなかった」。
 
 その想いがようやく実る。ロシア大会後に発足した森保ジャパンで、待望の代表復帰。新体制の初陣となるコスタリカ戦で先発に名を連ねると、自身の代表初得点となるゴールをゲット。続くパナマ戦でもネットを揺らし、先日のウルグアイ戦では、周囲の期待をはるかに上回る圧巻の2ゴール。“3戦4発”と、アタッカーとして文句がつけようのない活躍ぶりだった。
 
 約4か月前に聞いた「見とけよ」の一言が蘇ってくる。ただのハッタリではなかった。南野には確かな自信があったのだ。チャンスがあれば結果を出せる、と。
 
 その決定力と勝負強さ以外にも、目を見張るパフォーマンスを見せた。1・5列目で自由に動き回り、何度もパスを要求して積極的にプレーに絡み、攻撃にリズムを生み出す。オフ・ザ・ボールでは精力的なランニングでスペースを作り、本人は守備面での課題を口にしていたが、高い位置での果敢なボール奪取も披露。攻守両面で抜群の存在感を示した南野は、ここまでの森保ジャパンにおける3試合で唯一、すべてのゲームでスタメンを勝ち取っている。
 
 俺がエースだ、攻撃のキーマンだと、そう自負しても不思議ではない。そんな意味合いの質問を投げかければ、「まったくそんなことは思っていない。全然。まだまだこれからです」と取り合わなかった。
 
 この謙虚さと向上心、「クラブで結果を残さないと、次の代表はない」という危機感がある限り、南野は進化を止めないだろう。来年1月のアジアカップ出場と、そこでチームの勝利に貢献できるように、「また地に足をつけて頑張りたい」と、さらなる精進を誓った。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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