ウナイ・エメリ新監督が率いるアーセナルが、リーグ戦５連勝と波に乗っている。プレミアリーグ第７節、ワトフォードをエミレーツ・スタジアムに迎えた一戦、ダメ押しの１点を決めたのはドイツ代表からの引退を表明したメスト・エジルだった。

　４位と好調のワトフォードが相手だけに、試合は簡単にいかず、終盤までスコアレスが続いた。スコアが動いたのは81分、交代出場のアレックス・イウォビが上げたクロスがワトフォード守備陣のオウンゴールを誘ってアーセナルが先制。さらに83分、カウンターからアレクサンドル・ラカゼットのクロスに、ゴール前に飛び込んだエジルが合わせ、２-０と突き放した。

　この勝利を決定づけるゴールでスタジアムの雰囲気は最高潮に達し、ワトフォードを呑み込んだ。アーセナルはリーグ戦開幕２連敗の後の５連勝となり、イングランド大衆紙『The Sun』は、「強いアーセナルが戻ってきた！」と完璧な勝利を称えている。

　エジルは、ロシア・ワールドカップ後にドイツ代表からの引退を発表した後、チームに戻ってもなかなか調子が上がらずにいた。今シーズン２点目となるエジルのゴールをチームメイトも一緒になって喜び、アレクサンドル・ラカゼットも「よくやったぜ、兄弟！」と祝福のコメントを寄せている。

　当のエジルは、試合の翌日にロンドン市内のトルコ料理店に出向き、ランチを楽しんだようだ。友人との２ショットを自身のインスタグラムにアップし、「穏やかな日曜日を楽しんでるよ」とコメントを添えている。

 『The Sun』によればこの店はエジルの行きつけで、2013年にアーセナルに入団してから通い続けているという。この店ではエジルに写真やサインを求めるのはNGで、エジルにとって心安らかに過ごせる場所のひとつになっているそうだ。

　次節、アーセナルはヨーロッパ・リーグのカラバフ戦を挟み、アウェーでフルアムと対戦する。エメリは「もっと試合をコントロールしなければならないし、ポゼッションの面で改善する必要がある。だが、僕たちには“勝利の哲学”が根付き始めている」と自負している。

　頼みの10番の調子が上がってきた。首位のマンチェスター・シティとは４ポイント差の５位に浮上したアーセナル。今後も勝ち星を重ねていけるだろうか。