[J１リーグ28節]札幌 ２-１ 鳥栖／９月29日／札幌ド
 
　ようやく決めることができた。
 
　鳥栖をホームに迎えた一戦で、今季川崎からレンタル加入の三好康児が、待望の移籍後リーグ初ゴールをゲットした。
 
　58分、敵陣のペナルティアークの中でジェイからの縦パスを右足でトラップし、間髪入れずに前を向く。利き足の左足でボールを丁寧にコントロールしながら寄せてくるDFをブロックし、そのまま左足で叩き込んだ。
 
　高いボールスキルはもちろん、ゴール前の密集地帯でも敵のDFとDFの間にあるわずかなスペースにすっと入り込むポジショニングも見事だった。
 
「結果の部分が一番重要なポジション。良いプレーをしたとしても、結果を自分は一番欲していたので。今日は良くないシーンや課題が出た場面もあったけど、そのなかでも結果を出せたのが、自分の中ではひとつ成長していける要因になると思うし、次の試合に向けてもすごく自信になる」
 
　札幌では２シャドーの一角でプレー。サイドに流れてのチャンスメイクだけでなく、中央のエリアから果敢に仕掛けてフィニッシュに絡めるのも大きな強みだ。こうしたプレーが相手の脅威になるのは間違いない。三好は前半にも、ゴール前で狭いスペースに走り出し、駒井善成からのスルーパスを引き出してみせる。その鋭く危険な動きに対し、鳥栖のDFはたまらずファウルで対応せざるを得ず、PK奪取に成功している（そのPKはジェイが失敗）。
 
　まだまだプレーの確実性が十分ではないが、ポテンシャルに疑いはない。２年後の東京五輪でメダル獲得を目指すU-21代表では10番を背負う21歳を、A代表も兼任する森保一監督は注視しているはず。近い将来のA代表入りも期待される俊英アタッカーのさらなる活躍と成長に期待したい。
 
取材・文●広島由寛（サッカーダイジェスト編集部）

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