ここ数週間で一気に過熱してきた、マンチェスター・ユナイテッドのポール・ポグバとジョゼ・モウリーニョ監督の軋轢。そしてついに、両者の険悪なムードを決定的とする動画が流出した。

　様々な噂が流れていた二人の関係が、ここにきてさらに悪化する発端となったのは、今月22日に行なわれたプレミアリーグ第６節のウォルヴァーハンプトン戦で１-１の引き分けに終わった直後の、ポグバの発言だった。

　以前より指揮官の戦術に不満を溜めていることが指摘されていたフランス代表MFは、「ホームゲームなんだから、攻めて、攻めて、攻めまくるべきだ！」と怒りを露わにしたのだ。

　これに、モウリーニョも即座に対応。規律を重んじる彼は、現地時間25日に行なわれたリーグカップ３回戦のダービー・カウンティー戦を前に、ポグバに対して「今の態度では、チームキャプテンをやらせることは二度とない」と通告した。

　ダービー戦後、モウリーニョはポグバからキャプテンマークを剥奪したことを認めたうえで、「私は指揮官であり、あらゆる決定権をもっている。彼との間には、何ら問題はない。私が下した決断について、君たちに説明する必要はない」と、不仲説ばかりを取り上げるメディアをけむに巻いた。

　しかし、翌日に二人の不仲を決定的とする動画が、世に流れてしまう。

　英衛星放送「Sky Sports」は、マンチェスター・Uのトレーニング風景を撮影した動画を公開。そこには、颯爽と練習場に姿を現わしたポグバが、モウリーニョに一声かけられた途端に表情を曇らせ、直後に指揮官を睨みつけながら、不満げに何かを言うシーンが映し出されていたのだ。

　両者の会話の内容までは拾われておらず、明らかな証拠となるものではないが、モウリーニョと言葉を交わした瞬間のポグバの表情を見れば、二人が良好な関係を築けていないのは明確だろう。「Sky Sports」は、動画を紹介する記事において、「二人は冷ややかな挨拶を交わした」として、次のようにレポートしている。

「ユナイテッドと記録的な契約を交わした男は、ゲームキャプテンの座を下ろされた翌日、監督と会い、冷ややかな挨拶を交わした。その瞬間、キャリントン（練習場）に不穏な空気が流れたのは言うまでもない」

　英紙「Daily Mail」によれば、モウリーニョだけでなく複数のクラブスタッフが、移動車内において大音量で音楽をかけるなど、ピッチ内外で自己中心的な行動が目立つポグバに苛立っているという。ゆえに今回のキャプテン剥奪は、「あくまでチーム全体での決定である」とも伝えている。

　はたして、日に日に溝が深くなっているようにも見えるポグバとモウリーニョの関係が改善される日は訪れるのだろうか？