圧巻のフィニッシュワークだった。ベルギー代表が５発快勝だ。
 
　６月23日に行なわれたロシア・ワールドカップのグループＧ第２節、チュニジア戦。開始６分にエデン・アザールがみずから得たPKを難なく決めて先制すると、16分にはドリース・メルテンスのパスに抜け出したロメル・ルカクが豪快に左足を振り抜いて加点した。試合はよりいっそうオープンな展開となり、その後チュニジアにリスタートから１点を返されるも、アディショナルタイムにふたたび裏へ抜け出したルカクが相手GKをチップショットで交わす。前半だけで３ゴールを奪って見せた。
 
　後半も51分にカウンターからＥ・アザールが４点目を決めて、あっさりリードを広げた。大量リードに安心してか中盤での緩慢なチェックが目立つようになり、終盤はピリッとしなかったが、88分に途中出場でチャンスを外しまくっていたミチ・バチュアイがなんとか１ゴール。チュニジアのワフビ・カズリに意地の一発を食らったものの、終わってみれば５－２の大勝で、鮮やかな２連勝を飾った。

 

　強烈なゴールショーを演じたベルギー代表を、母国メディアが絶賛だ。国営放送『RTBF』は「レッド・デビルズ（赤い悪魔、ベルギー代表の愛称）が本領発揮だ。まさに娯楽の宝庫と言っていいゲームだった」と褒め称え、「激しい肉弾戦を仕掛けてきたチュニジアを巧みにいなし、効果的に得点を重ねた。こんなに調子が良くていいのだろうか。よほどのことがない限り、決勝トーナメント進出は固いだろう」と記した。一方、前半でふたりのDFが交代を余儀なくされたチュニジアに対して、「あまりにも厳しい現実」と憐れんだ。
 
　英紙『The Guardian』は「優勝候補がその実力をいかんなく発揮した。イングランドは明日ベスト16進出を決められなければ面倒なことになると」と論じている。イングランドは明日日曜日にパナマと第２戦を戦う。勝利すればベルギーと仲良く突破を決めるが、引き分け以下の結果なら最終節ベルギー戦までもつれ込む。それだけはなんとか避けたいところだろう。