【W杯 伝説への挑戦】本来の姿ではないC・ロナウドの不本意な180分間

カテゴリ:国際大会

豊福晋

2014年06月23日

キレのあるプレーはほとんど見せられなかった。

ピンポイントのクロスで同点弾を演出したが、アメリカ戦でもチームを勝利に導けなかった。明らかに本調子ではなく、グループリーグ敗退がちらつく。 (C) Getty Images

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「フィジカルの問題を言い訳にしたくはない。いま実際ここにいて、走り、ベストを尽くそうとしているのだから。メディアは僕の状態を毎日いろいろと話してる。腱に問題がある、いやここだ、あの箇所だとね。ただ、僕はここにいて、チームを助けようとしている。アメリカに勝つのが目標だったから、今日はそれが達成できなかったわけだけど」
 
 アメリカと引き分けた試合後、ミックスゾーンでのクリスチアーノ・ロナウドの言葉だ。ドイツとの初戦に続き、このアメリカ戦でも本来のパフォーマンスを披露できなかった。コンディションはどうか、そう尋ねる記者たちへの答だった。
 
 興味深いのは、コンディションの悪さを否定していない点だ。
 
 それもそうだろう。実際問題、誰の目にもロナウドは状態が悪い。明らかに普段の、レアル・マドリーでの彼ではないのだ。
 
 ナニの幸運な先制点でリードしながら、このアメリカ戦でもポルトガルは試合を支配することはできなかった。ロナウドは一度だけ華麗なボールテクニックで会場を沸かせたが、それ以外でキレのあるプレーはほとんど見せられなかった。
 
 パウロ・ベント監督は前半途中に4-3-3から4-4-2へシステムを変更し、ロナウドを2トップの一角へと動かした。それでも状況は変わらず、ロナウドが活きる場面はほぼなかった。中盤からも良いボールが入らなかった。
 
 ゴール前でのミドルシュートは上手くミートせず、ヒットしないFKも本調子ではないことをうかがわせた。もうひとりの攻撃の核、ナニとの連係も悪かった。ナニがボールを渡さず自らシュートに行った際には、当り散らすように激昂した。
 
 決定的な仕事をしたのは、後半ロスタイムだ。右サイドからファーへと走り込むシルベストレ・ヴァレラに完璧なクロスを合わせ、同点ゴールを演出した。
 
 この一発で2-2の引き分けに持ち込んだ。とはいえ、それは最低限の結果にすぎない。グループリーグを突破するには、ガーナとの最終戦に勝つことが最低条件。ただ、ドイツとアメリカが引き分ければ、その時点で望みは潰える。

『あとは敗退決定を待つだけ』
 
 試合後、ポルトガルの『ア・ボラ』紙は辛辣だった。
 
 明らかにフィジカルの問題を抱えるロナウドは、第3戦で本来の力を発揮できるのか。これまでの180分間を見るかぎり、残念ながらそれは難しそうだ……。
 
文:豊福晋
 
――◆――◆――
 
 ネイマール、リオネル・メッシ、クリスチアーノ・ロナウド――。自他ともに認めるブラジル・ワールドカップの主役候補の3人だ。彼らが挑むのは、ただし今大会の主役の座という限定的な栄誉ではないだろう。
 
 いずれもサッカー史に名を刻みうる特別な才能であり、ブラジルのネイマールはペレ、アルゼンチンのメッシはマラドーナ、ポルトガルのC・ロナウドはエウゼビオという、それぞれの国のレジェンドを超えうるカリスマだ。
 
 ブラジルの地で、いわば伝説に挑む3人の天才。その闘いに密着してお届けしよう。

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