【W杯キープレーヤー解体新書】メスト・エジル|ダイナミズムを備えた「ドイツ版ファンタジスタ」

カテゴリ:国際大会

ロベルト・ロッシ

2014年06月21日

創造性と意外性で攻撃にアクセントをつけ、変化をもたらす。

アスリートとしてのダイナミズムを備えるエジルは、いわゆるファンタジスタのなかではいかにもドイツ的だ。 (C) Getty Images

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 ドイツ代表でもっともクオリティーが高く、ファンタジアに優れたトップ下。強靭なフィジカル、安定した基本技術、タスクに忠実な献身性とチームスピリットを兼ね備えたドイツ人プレーヤーが揃うなかで唯一、プレーに柔らかさ、創造性、意外性が含まれており、攻撃にアクセントをつけ、変化をもたらせる。
 
 実際、エジルが不在となると、ドイツは直線的かつ機械的な反復が目立つ単調なチームになってしまう印象がある。トップ下で定位置を争う――あるいは共存が求められる――ゲッツェはトリッキーなテクニックとアジリティーを兼備した天才肌のアタッカーながら、エジルのようなイマジネーションや意外性には欠ける。
 
 逆にエジルはファンタジスタのなかでは、もっともドイツ的な資質を備えたプレーヤーと言える。テクニックとイマジネーションだけでなく、アスリートとしてのダイナミズムも備えているからだ。そのクオリティーを活かすには、スピードに乗った展開のなかでスペースを突き、決定的なスルーパスを引き出すタイプとともにプレーする必要がある。
 
 その点でミュラーは理想的なパートナー。最前線のクローゼもスペースを作る動き、パスを引き出すタイミングの感覚に優れた頭脳的なCFであり、相性はぴったりだ。そのCFにゲッツェやミュラーを置くゼロトップは、エジルのダイナミズムを活かしながら、さらなる意外性を攻撃に付け加えられる興味深い布陣と言えるだろう。
 
 あえて欠点を探せば、プレーにムラがあり、試合から消えている時間が短くないことと、試合ごとにパフォーマンスの波が大きいところか。ワールドカップで主役のひとりになる可能性が高くても、絶対的ヒーローになれるかというと首を傾けざるをえない。
 
 パーソナリティーとリーダーシップという点では、ラームとシュバインシュタイガーに対して見劣りが否めない。
 
分析:ロベルト・ロッシ
構成:片野道郎
 
※『ワールドサッカーダイジェスト 出場32か国戦術&キープレーヤー完全ガイド』p87より抜粋。

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