セリエBを戦うペルージャは５月12日、ホームでノバーラと１-１で引き分け、８位以内でのフィニッシュが確定。最終節を残し、セリエA昇格を競うプレーオフへの参加を決めている。

　セリエBは首位のエンポリがすでにA昇格を決めており、自動昇格となるあと１枠を、２位フロジノーネ、３位パルマ、４位パレルモが最終節で争うことになる。そして３つ目の昇格枠は、３位から８位までの６チームによるプレーオフで決まる。

　つまり現在８位のペルージャは、前述した３チームのうち、２位に入れなかった２チームに加え、現時点で５位のヴェネツィア、６位のバーリ、７位のチッタデッラらとともに、このプレーオフを戦うわけだ。
 

　もっとも、プレーオフ出場の権利を手にしたペルージャだが、直近の10試合で３勝しか挙げておらず、ここ４試合は３分け１敗と絶不調。１か月近く白星から遠ざかっている。

　そのためクラブは、プレーオフ進出を決めた日にロベルト・ブレダ監督の解任を発表。後任は14日中に発表されると言われており、イタリアの各メディアは、ノバーラ戦をスタンドから観戦していた元イタリア代表DFのアレッサンドロ・ネスタが、新監督に就任するだろうと報じている。

　13日付のイタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、ペルージャのマックス・サントパードレ会長は、ブラダ前監督のフォーメーションやチームのプレー内容の拙さに不満を募らせ、ついに解任という決断に至ったようだ。ネスタとは今シーズンいっぱいの契約になる見込みで、２年の延長オプションが付くという。

　現役時代にラツィオやミランでプレーしたネスタは、２度のチャンピオンズ・リーグ優勝をはじめとする数多くのタイトルを獲得。イタリア代表では、2006年ドイツ・ワールドカップで世界制覇を経験するなど、その活躍ぶりは周知のとおりだ。

　ただ、指導者に転身してからは、メジャーリーグサッカーの下部に位置する北米サッカーリーグのマイアミFCで指揮を執ったのみ。経験値の低さは否めない。それだけに、これから昇格プレーオフに臨むチームの監督に就任するという今回の人事が驚かれたのは当然だ。

　指導者としてイタリアに戻って来たネスタは、ふたたび母国のカルチョファンを沸かせることができるのか。近い将来、ジェンナーロ・ガットゥーゾ（ミラン）やフィリッポ・インザーギ（ヴェネツィア）など、同じく指導者へと転身した現役時代のチームメイトたちとの対戦が実現するのかも注目したいところだ。