約22年に渡る長期政権の後だけに、後任探しも一筋縄ではいかない。

　４月２０日にアーセン・ヴェンゲル監督の今シーズン限りでの退任が決まったアーセナルは、イバン・ガジディスCEOを中心に新監督の選定を進めている。

　パトリック・ヴィエラやミケル・アルテタ、ティエリ・アンリといったクラブOBたちも、候補に挙がっているが、アーセナルはプレミアリーグ制覇から長く遠ざかっているため、欧州を代表するビッグネームの就任が有力視されている。

　その候補の一人が、ユベントスで３年連続国内2冠を達成しているマッシミリアーノ・アッレグリ監督だ。今シーズンもユーベはセリエAで“マジック１”に迫り、コッパ・イタリアでも５月９日にミランとの決勝に臨む。アッレグリ監督は前人未到の４年連続２冠という偉業に近づいている。
 

　英国メディア『Sky Sports』や英紙『Telegraph』は、５月７日、アーセナル新監督の有力候補にアッレグリの名前を挙げている。『Telegraph』紙のアンケートでも、１万3000人を超えるユーザーのうち、20％がアッレグリを推した。

　なお、同紙が挙げた候補者では、ヴィエラやディエゴ・シメオネが各10％を得票。ルイス・エンリケとカルロ・アンチェロッティが９％、アンリが８％で続いている。その他ではブレンダン・ロジャースとヨアヒム・レーヴが６％、トーマス・トゥヘルが５％、ラファエル・ベニテスが４％、アルテタ、レオナルド・ジャルディム、エディー・ハウ、デニス・ベルカンプがそれぞれ３％だった。

　アーセナル就任を後押しする声が少なくないアッレグリだが、ユーベは以前から続投を強調している。７日には、ジュゼッペ・マロッタCEOが、「アッレグリとの関係は常に機能してきたし、今も機能している」と述べた。

「スクデット獲得が決まったら、我々は将来について話すだろう。私は、一緒に満足に満ちた将来になると確信しているよ」

　イタリア国内を圧倒し、チャンピオンズ・リーグでも４年間で２度の決勝を戦ったアッレグリ監督は、来シーズンも老貴婦人（ユーベの愛称）の指揮を執るのか。それとも、新時代を迎えるアーセナルでの冒険に挑むのか。あるいは……。名将の決断に注目が集まる。