一部のファンによる愚行は、快勝に酔いしれるチームの幸せなムードに水を差した。
 
　現地時間４月４日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ準々決勝第１レグを前に、ホームのリバプールのサポーターが、マンチェスター・シティのチームバスを“襲撃”。クラブは謝罪声明を出すこととなった。
 
　英紙『Telegraph』によると、シティのバスは、ビンやカン、発煙筒などを投げつけられて走行不能になり、マンチェスターに戻るアウェーチームには新たなバスが用意される事態となったという。
 
　試合後、リバプールの指揮官ユルゲン・クロップは、「こういうことを避けるために全力を尽くしたのだが……。リバプールと私には謝罪しかできない」と陳謝。クラブも声明で事件を強く非難し、犯人特定のため当局に協力するとしたうえで、敵将のジョゼップ・グアルディオラと選手、スタッフ、関係者に謝罪した。
 
　英国国営放送『BBC』によると、リバプールのレジェンドであるスティーブン・ジェラードは、『BT Sport』で「必要ないことだった。こういう光景はクラブにとって素晴らしい夜に影を落とす」と述べている。
 
「クラブが望んだことではない。素晴らしい雰囲気になり、相手にとって厳しい雰囲気になることは臨むが、一部の個人が一線を越えてしまった。まったく受け入れられないことだ」
 

 

　幸いにも、相手選手たちへの影響はなかったようだ。英紙『Guardian』によると、ヴァンサン・コンパニは「バスの件が僕らに影響することはなかった」と明かしている。
 
「本当に何もなかった。僕らは以前にもこういうことを経験しているんだ」
 
　また、ケビン・デ・ブルイネも「サポーターがそういうことをしても、僕は気にしない」と続いた。
 
「誰もケガをしていない限り、僕は大丈夫だよ。（選手にとって）何かが変わるわけじゃない。暴力がない限りは、何も問題ない」
 
　だが、地元マージーサイド警察は、今回の件で警官２名が負傷したことを発表している。グアルディオラは、「こういうことがあるのではないかと事前に説明された」と、対応に疑問符をつけている。
 
「普通、警察が分かっていたら、こういうことが起きないように避けようとするものではないか。だから私はリバプール側がそうすると思った。バスは壊れたが、リバプールのような名門でこういうことがあるとは思わなかったよ。リバプールではなく、（ファンの）人たちがやったことだが、二度と起きてほしくない」
 
　試合で３-０と快勝したリバプールだったが、このような些細なトラブルで会心の一勝にケチがついたのは残念で仕方がない。熱狂的で知られるリバプールのサポーターだが、だからこそ、愛するクラブと指揮官に謝罪させるようなことはすべきでないだろう。