目下、公式戦17戦無敗と絶好調のトッテナム・ホットスパー。これは1967年以来、およそ半世紀ぶりの快挙だという。
 
　マウリシオ・ポチェティーノ監督が鍛え上げたチームは攻守両面で組織美を披露し、ハリー・ケイン、デル・アリ、クリスティアン・エリクセン、エリック・ダイアーら若きタレントが各エリアで躍動する。以前のようにメガクラブに主力を引き抜かれるケースはめっきり減り、地に足のついた強化を継続。シーズンを重ねるごとに逞しさを増している。

 
　観衆を魅了するチームパフォーマンスが売りのスパーズ（トッテナムの愛称）が、公式ツイッター上でユニークなスペシャルムービーを公開した。３月４日に行なわれたアメリカ映画界最大の祭典「アカデミー賞授賞式」をパロディし、３つの部門を用意。所属選手たちが提供してきた妙技をノミネート作品として紹介しているのだ。

 

　ユーゴ・ロリスらGK陣がスーパーセーブを連発する『Best Showstopper』（最優秀演技賞）、ゴールを鮮やかにお膳立てする『Best Supporting Actor』（最優秀助演男優賞）、そして見事なコンビネーションやソロプレーをまとめた『Best Visual Effects』（最優秀視覚効果賞）の３つ。そのなかで超絶技巧を見せつけているのが、北ロンドンの名門が誇る若獅子・アリだ。
 
　とりわけ圧巻なのが、リバプール戦で繰り出した“ナツメグ”（股抜き）。対人守備の強さに定評があるダイナモ、エムレ・ジャンをタッチライン際で背負うと、振り向きざまに軽やかに股間を抜き去った。必死の形相でアリを追いかけるジャンの姿が印象的だ。そのほかにもバックヒールやDF３人の間を豪快に通すスルーパスなど、高度なテクニックを炸裂させている。
 
　さまざまな言語版で発信されている同ツイッターの投稿欄では、さっそくファンが反応。「まったく天才的な閃きだ」「実力はもうワールドクラス」「次代のイングランド代表をリードする旗手だ！」といった調子で、とにかく大人気だ。
 
　21歳ながら、フットボーラーとして完成の域に達しつつあるデル・アリ。いよいよ現地時間水曜日、チャンピオンズ・リーグのラウンド・オブ16第２レグで、ユベントスと雌雄を決する。第１レグは敵地で２－２のドローと、トッテナムが優位に立つ。アリは聖地ウェンブリーでふたたび輝き、チームを７シーズンぶりの欧州８強に導けるか。