エンジン全開で止められない。アトレティコ・マドリーのフランス代表FW、アントワーヌ・グリエーズマンだ。
 
　現地時間２月25日のリーガ・エスパニョーラ25節のセビージャ戦でハットトリックを達成したかと思えば、中２日で行なわれた26節のレガネス戦では鮮烈の４ゴールを奪取。２戦７発で１アシストのおまけ付きと、まさに手が付けられない状況だ。自慢の左足のみならず、直接FKやループショット、さらには右足での豪快ミドルなど多彩なフィニッシュでゴラッソを連発。リーガ・ファンを虜にしている。
 
　そんなグリエーズマンのゴールラッシュを称えたのがラ・リーガの公式ツイッターで、彼の代名詞である背番号７にちなみ、アトレティコで決めた「ベストゴール７選」を公開した。いずれも凄まじいクオリティーを誇るゴール集はさまざまな言語版でアップされ、それぞれのコメント欄に賛美の声が殺到。「フィニッシュ能力は世界屈指」「スタイリッシュで絵になる男だ」「観る者を熱くさせるエンターテナーだよ」などなど。ゴール後に手をフリフリするお馴染みダンスは、世界中のサッカー少年たちのお気に入りだ。

 

　レアル・ソシエダからアトレティコに活躍の場を移したのは2014年夏で、当時の移籍金は3000万ユーロ（約39億円）。あれから３年半が経過し、真のワールドクラスへと飛躍を遂げた26歳の天才アタッカーの市場価値は──。アトレティコとの現行契約は2022年６月までと長く、スペイン全国紙『AS』は先月「違約金は最低でも8800万ユーロ（約115億円）。その左足にはその価値がある」と見立てた。マンチェスター・ユナイテッドやバルセロナが継続して熱視線を送っており、夏のメガディールが成立するのではないかと騒がれている。
 
　クラブでも代表でも、美しきゴールショーを演じるグリエーズマン。自身２度目となるワールドカップに照準を合わせながら、キャリアの春を謳歌する。