開幕のFC東京戦で今季初ゴールを決めたものの、１-１の引き分けに終わった浦和のDF槙野智章は、３月４日のホーム開幕戦での勝利を誓う。しかも対戦相手は、古巣の広島だ。
 
　１日のトレーニングで組まれた紅白戦ではCBに入り、SBの菊池大介や宇賀神友弥に誰よりも大きな声で指示し、ゲキを飛ばしていた。３日後の埼玉スタジアムでの広島戦に向けて、少しずつめらめらと闘志を燃やしていた。

 
「どんな試合も、勝ちに徹する試合をしなければいけない。けれどもやはり、個人的にこの広島戦は、いろんな想いのあるチームです。そのことを踏まえ、しっかり戦わないといけません」
 
　そう決意を示した槙野は、１節の広島－札幌戦の戦いぶりをチェック。広島の戦いぶりに大きな変化を感じたという。
 
「監督交代により、昨年からチームが大きく変わっていますね。今までのポゼッションサッカーからかなり守備的なカウンターチームになっている印象を持ちました。前線に力のある選手がいるので、そのリスクマネジメントにアンテナを張らなくてはいけない」
 
　ティーラシン＆パトリックの２トップ、さらに新加入の渡大生ら異なる個性を持つアタッカー陣を警戒。昨季はACLを制したものの、リーグ戦はラスト３連敗を喫して７位に沈んだ。埼スタのピッチに立つのは３か月ぶり。DFとしては、やはりサポーターに、無失点勝利を届けたいところだ。
 
「もちろん開幕戦で非常に楽しみですけど、気持ちが空回りしないように、良い準備をするのが大切。あとはやっぱり……」と槙野はひとつ懸念していることを挙げた。「フロントのスタッフと話す機会があったのですが、ホーム開幕戦のチケットの売れ行きが少し良くないと聞きました。一人でも多くの方に来てもらうことと、昨年のACLで見せたプレーと感動をまたみんなで共有できるように、このホーム開幕戦からみんなで作っていければと思っています」
 
　そして結婚して迎える最初のシーズンであることを聞かれた槙野は、「気持ち的に新たなシーズンを新しい形で迎えられたのは良いこと。結果とプレーで表現できればと思います」と語り、改めて気持ちを引き締めていた。
 
取材・文：塚越 始