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【現地発】ハメスの心に響いたハインケス監督の言葉「このままではどこにも辿り着くことはできないぞ」

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2018年02月27日

アンチェロッティ退任直後は孤立化を深めていた。

ハインケス(左)の監督就任でハメス(右)が復活。飴と鞭を使い分ける操縦術が天才を蘇らせた。(C)Getty Images

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 コロンビア代表監督のホセ・ペケルマン監督は、ハメス・ロドリゲスが捲土重来を期すべくレアル・マドリーへの復帰を望んでいると考えている。

 とはいえ、仮にその予想が的中したとしても、バイエルン・ミュンヘンとのレンタル期間が満了する2019年6月まで待たなければならない。しかも、堂々とチームの攻撃を牽引するここ4か月の活躍を目の当たりにして、バイエルンのファンやチームメイト、首脳陣は一様にハメスの特別な才能を認め始めている。

 復調のきっかけとなったのは、ユップ・ハインケス監督の就任だった。

 10月25日に行なわれたDFBポカール(国内カップ戦)のライプツィヒ戦前後での出来事だった。ブンデスリーガの直近3試合のうち2試合で出場時間ゼロに終わっていたハメスは、背中の痛みを訴え、遠征メンバーから外してほしいとの希望を新指揮官に伝えた。

 ハインケス監督はその後、ハメスと個別に話し合いの場を持ち、少々の体調不良なら、試合の重要性を考えて遠征メンバーに帯同すべきだったと伝え、チームの一員としての自覚を促すとともに、「このままではどこにも辿りつくことはできないぞ」と警鐘を鳴らした。

 当時のハメスは、クラブに獲得を進言したカルロ・アンチェロッティという後ろ盾がいなくなり、チーム内で孤立化を深めていた。もっとも、入団当初から彼には逆風が吹いていた。フロント内では自由奔放な南米選手とドイツの伝統を重んじるバイエルンのクラブ哲学との相性が良くないことを理由に、適応能力を疑問視する声が続出。さらに実力についても、アンチェロッティが「ハメスはバイエルンが必要としていた正真正銘のスーパープレーヤーだ」といくら訴えても、だったらそんな実力者を、マドリーはどうして手放したのかと反論に遭うのがオチだった。

 しかも開幕当初は、そのアンチェロッティが危惧するほど、心身ともにベストにはほど遠い状態にあった。とりわけ重症だったのがメンタル面で、マドリーで長く蚊帳の外に置かれていた昨シーズンのダメージから抜けきれず、競争意識そのものが低下してしまっていたのだ。
 ただ忘れてならないのは、ハメスはそんな中でもマドリーでは全コンペティションを通して11得点・13アシストを記録したという事実だ。出場時間当たりに換算すると、いずれもイスコやガレス・ベイルを上回る数字である。

 前述の話し合いで飴と鞭をうまく使い分ければハメスの復活は可能との手応えを得たハインケス監督は、その3日後の、今度はブンデスリーガのライプツィヒ戦でスタメンに抜擢した。久々にフル出場を果たしたハメスは期待に応えて1ゴールをマーク。2-0の勝利に貢献した。

 その後、チアゴ・アルカンタラの怪我も追い風に飛躍的に存在感を高め、前半戦の最大の山場だったチャンピオンズ・リーグのグループステージ最終節、パリSG戦でも1アシストを記録するなど、プレーメーカーとしてチームの勝利(3-1)に貢献した。

 ハメスを復活に導いた当のハインケスは、活躍の理由はポジションにあると言う。

「マドリー時代、ハメスは3トップの両サイドでプレーしていた。だから、本職のトップ下に戻してあげたんだ。すると、それこそ水を得た魚のように生き生きとプレーしはじめた。ハメスの獲得は我々にとって、まさしく大ヒットだったよ」

 ドイツの『Der Spiegel』誌によると、現在ハメスは月給で54万ユーロ(約7020万円)を受け取っているという。これはたとえば、同じ南米を代表するアタッカーのアレクシス・サンチェス(マンチェスター・ユナイテッド)の約4分の1の額に過ぎない。マドリーは2019年夏にハメスを呼び戻すことができるが、しかし契約には、4200万ユーロ(約54億6000万円)での買い取りオプションが付帯している。このまま活躍を続けた場合、バイエルンにとっては安い買い物になるかもしれない。


文●ディエゴ・トーレス記者(エル・パイス紙/海外サッカー担当)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています
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