パリ・サンジェルマンのネイマールが史上最高額でバルセロナから移籍したのは、バロンドール受賞という目標を達成するためとの見方が強い。

　だが、現時点で彼がリオネル・メッシから「世界一」の称号を奪い取ることは、おそらく不可能だろう。とりわけメッシと一度でも一緒にプレーした経験のある選手たちは、そうした共通認識を持っている。

　かつてバルサに所属した元フランス代表のティエリ・アンリもそのひとりだ。スペイン紙『Marca』によると、アンリはネイマールがバルサを離れた理由について、「メッシの影から抜け出すためかどうかはわからない」としつつ、「それが目的ならネイマールの夢は泡と消えるだろう」と述べた。

「私は、メッシ以上の選手を知らない。もしネイマールがプレーヤーとしてメッシを超えたいのであれば、彼はプレーするスポーツを変えなければいけない」

　もちろん、ネイマールが規格外の選手であることに異論を挟む者はいないだろう。実際、パリSGでもネイマールは多くのゴールとアシストをマークし、リーグ・アンで首位を独走するチームに大きく貢献している。

　それでもアンリは、サッカーにおいてメッシにまさる選手はいないと考えている。現時点でネイマールが世界一の称号を手にする方法はひとつ。クリスチアーノ・ロナウドのように、目に見える勲章の数でメッシを上回るしかない。

　つまり、パリSGがチャンピオンズ・リーグ（CL）を制し、ブラジル代表がワールドカップで優勝して、その中心にいるのがネイマールだったら、悲願のバロンドールにも手が届くだろう。

　ただ、少なくとも今シーズンに限れば、ネイマールはすでに崖っぷちに立たされている。CL決勝トーナメント１回戦第１レグで、パリSGがレアル・マドリーに１-３と逆転負けを喫したからだ。この試合で無得点だったネイマールは、３月６日の第２レグでチームを逆転突破に導き、夢を追い続けることができるだろうか。