清武や柿谷に匹敵する存在感!ACL決勝弾の水沼宏太が"劇的ゴール"を連発できる理由

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年02月15日

"お膳立てをする男"が、"フィニッシュもできる男"に成長

豊富な運動量に加え、相手の隙を見逃さない戦術眼と可能性を信じるメンタルが水沼の武器になっている。(C)Getty Images

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 4年ぶりのACLに挑むC大阪が、劇的な勝利で好発進した。
 
 アウェーに乗り込んだグループステージ初戦の済州戦。どちらもチャンスを作りながら決めきれず、0-0のまま後半アディショナルタイムに突入した。杉本からフワリとしたボールがペナルティエリア内に入り、途中出場の高木俊幸が強引にシュートを放つ。これを相手GKとDFが譲り合ってボールが流れると、ミスを見逃さなかったのが水沼宏太だった。最前線まで走り込んでいた背番号7が無人のゴールへ流し込み、最後の最後で決勝点を奪った。
 
「自分は前半のチャンスを外していたんで……。ふたり(杉本健勇とヤン・ドンヒョン)が前に入って高さ勝負になって〝後ろに走れば何かが起きるかな〟と思っていた。それと、トシ(高木)はシュートを打ちにいける選手。〝打って、どこかにこぼれてくるかな〟と思いながら走っていた」
 
 激しい戦いだった。開始直後に松田陸が削られると、10分には柿谷曜一朗が潰される。徐々に両チームがヒートアップし始め、31分に清武弘嗣が倒された際には選手たちが詰め寄った。そして39分には、清武のファウルを巡って小競り合いが勃発。昨年のACL浦和戦で乱闘騒ぎを起こした済州との一戦は荒れた展開となり、ハーフタイムにユン・ジョンファンから「落ち着いてプレーするように」と選手に指示が送られるほどだった。
 
 そのなかで、水沼の頭の中は冷静だった。途中出場したヤン・ドンヒョンと高木の特長を踏まえ、ゴール前に走り込むことを意識していた。「一発目で陸(松田)がやられて。こういうガチャガチャした試合展開のほうが、ボールはこぼれてくると思っていた」と話したように、右MFとしてハードワークを続けながら戦況も見極めていた。90分を超えた時間帯でも衰えなかった走力。最後まで諦めない姿勢。それらの要素が思考と合致し、劇的なゴールにつながった。
 
 思えば、昨年末から常に歓喜の輪の中心にいた。天皇杯準決勝の神戸戦では、後半アディショナルタイムに起死回生の同点弾。元日の天皇杯決勝・横浜戦では、ミドルシュートで同点ゴールの起点となり、さらに延長前半5分にクロスから頭で決勝点を決めた。右サイドから正確なクロスを操り、昨季にアシストを何度も記録した水沼。"お膳立てをする男"は、昨季リーグ戦で3得点に止まったことを課題とし、"フィニッシュもできる男"に成長しようとしている。
 
「アシストもそうだけど、得点を取れるシーンが(昨季は)あったし、取れるシーンも前より増えている。(C大阪の)攻撃力はトップクラスだし、そのなかで自分の武器を出していければ。決めきるプレーを増やしていって、クラブに大きなことをもたらせたら」
 
 今季は期限付き移籍から完全移籍に切り替わった。背番号も「16」から「7」に変わった。名実ともに主力となった27歳は、さっそく新たなシーズンの重要な一戦でヒーローとなった。主将や副主将ではなくても、常にポジティブなマインドでチームを引っ張る水沼の存在感は、さらに増していきそうだ。

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