[高校サッカー選手権・１回戦]日章学園３－１北陸／12月31日／味の素フィールド西が丘
 
　北陸との１回戦、前半の11分に右サイドのクロスに右足で合わせて先制弾を流し込むと、その10分後には相手DFのミスを見逃さず、冷静に右足で追加点を決める。すでにＪ３リーグの北九州に内定していることで徹底マークも予想された佐藤颯汰が、そのプレッシャーをものともせず２ゴールを決めた。
 
「（全国大会での自身の初得点については）１点目は本当に嬉しくて。やっと、という感じでした」
 
　全国大会独特の緊張感は「多少なりともあった」。２－０になったあと１点を返されて「もっと落ち着いて自分たちのサッカーをしないといけなかったのにドタバタしてしまった」部分もあったが、それでも目に見える結果を残すあたりに大物の片鱗を垣間見た。
 
　「（北九州に内定していて）自分が意識されることは分かっている。そうした状況下で結果を出さないといけない。次の試合（佐賀東戦）も貪欲になっていきたいです」
 
　貪欲だからこそ、この試合での２ゴールにも満足などしていない。
 
「安堵感はありません。もっと点を取らないといけないです」
 
　個人的な目標は当然ながら「得点王」だ。「日本一に向けてということを考えると、今日のようなサッカーじゃだめですね」と冷静に語る佐藤は、この日の自身の出来を「50点」と辛めに評価していた。
 
　「ボールを収めるところでは全部収める気持ちでやりたい。あとはもっと点に絡みたい」とあくまで貪欲なスタンスを示す佐藤が、佐賀東との２回戦でもゴールに絡めるか楽しみだ。

　ちなみに、「感動を与えられる選手になりたい」という佐藤が、アタッカーとして参考にしているのがアルゼンチン代表のリオネル・メッシだ。
 
「雲のような存在ですけど、見習うべきところはたくさんあるし、そういうところをひとつでもピッチの上で出していきたい」
 
取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェスト編集部）