「最後の大会なので優勝したい。自分たちの代は何も取っていないので、その意味では去年とは思いの強さが違う」
 
　12月30日に開幕した高校サッカー選手権。全国48代表が首都圏で熱戦を繰り広げるビッグトーナメントで、赤い彗星が誇る大会ナンバーワンCBが日本一奪還を誓った。
 
　３度の優勝経験を持つ東福岡は、今年も攻守にタレントを揃えて優勝候補のひとつに挙げられる。その中で注目を集めるのがファジアーノ岡山への入団が内定しているU-18日本代表の阿部海大だ。１対１と空中戦の強さは折り紙付きで、高校年代では相手を圧倒する実力を兼ね備える。

　昨年の選手権でもレギュラーとしてプレーし、ベスト８入りに貢献。そこで全国に名が知られると、高校選抜に選ばれた。そして、２月にはU-18日本代表に招集され、以降は代表メンバーの常連に。10月には来季の岡山入りが発表されるなど、昨年度の選手権での活躍が阿部をいっそう飛躍させることとなった。

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「去年の選手権でいろんな人に見てもらえた。チームとしては結果が出なかったけど、個人としてはアピールすることができて、代表などに選ばれ続けた。それは大きかった。代表に行って感じたことや海外で経験したことは今の自分に生きていると思う」

　今年の成長ぶりに手応え十分の阿部。あとはインターハイとU-18高円宮杯プレミアリーグで逃した日本一を掴めば、充実の１年で高校を卒業できる。それだけに最後の冬に掛ける想いは強い。

　だからこそ、阿部は平常心を心掛けている。「自分のやることは変わらないので、それでプレーが変わるようではまだまだ。自分のやるべきことをやるだけ」と話し、普段通りのプレーでチームを牽引する考えを明かした。赤い彗星の背番号４は圧巻のパフォーマンスで勝利に導けるか。注目の初戦は31日の尚志戦だ。
 
取材・文●松尾祐希（サッカーダイジェストWeb編集部）