パスの質では上回ったアルジャジーラだったが…

写真はデラロサによる3点目。これで勝負はほぼ決した。 (C) Getty Images

準決勝で大活躍を見せた本田は、この試合では若い選手に出番を譲った。 (C) Getty Images
12月16日(現地時間)、クラブワールドカップ3位決定戦がUAE・アブダビのサイード・スポーツシティ・スタジアムで行なわれ、北中米カリブ代表のパチューカ(メキシコ)が4-1で開催国枠出場のアルジャジーラを下した。
パチューカは2試合連続で延長戦を戦い、アルジャジーラは短期間で3試合をこなすなど、ともに体力的にはかなりハードな状況で迎えた最後の一戦。準決勝グレミオ戦で絶大な存在感を示した本田圭佑は、疲労を考慮されてか、ベンチで試合開始を迎えた。
最初にボールを支配したのはパチューカ。開始3分で、R・ロペスの右クロスからハラがニアでヘディングシュートを放つというチャンスを迎え、その後もしばらくはポゼッションでは上回り続けた。
しかし、アルジャジーラも負けていない。5分にロマリーニョがドリブルで長距離を進んで相手ゴールに迫ると、時間とともにボールを持つ時間が長くなっていく。レアル・マドリー戦では守備にほとんどの時間を割かれた開催国代表は、積極的に攻撃を仕掛けていった。
少ない人数ながらも正確にボールを繋ぎ、パチューカの守備を崩そうと試みるアルジャジーラ。その長短のパスの質は、相手のそれよりも高く、準決勝とは異なる魅力を披露する。
ただ、決定機の数ではパチューカが上。12分にサガルのクロスをサンチェスがフリーで合わせ(わずかに枠外)、16分にはウレタビスカヤのFKが壁に入った相手選手の頭に当たって軌道が変わり、左ポストを叩く。はね返りをさらにムリージョがダイビングヘッドで詰めたが、ボールはクロスバーを越えた。
23分にもハラのフリーでのヘッド、30分には多重攻撃からサガルがペナルティーエリア内で強烈なシュートを放つも、いずれもゴールマウスを捉えられない。その2分後、逆にロマリーニョからマブクートにスルーパスを通され、相手に最初の得点機を与えたが、これをGKブランコの好守でしのぐと、間もなくしてようやく待望の瞬間を迎える。
37分、ハラがハーフウェーライン付近でスルーパス。これを受け、懸命に足を伸ばすDFを置き去りにしたウレタビスカヤは、飛び出してきたGKアルセナーニの動きを見ながら冷静に左足のアウトサイドでゴールに流し込んだ。
リードを奪ったパチューカは、41分にもサガルがフリーでヘディングシュートを放つという決定機を迎えた。一方、アルジャジーラは終盤には全体の動きが少なくなり、相手の攻勢を許したまま前半終了を迎えた。
後半、立ち上がりから攻勢に立ったのはビハインドを負うアルジャジーラ。しかし、最初のチャンスはアルジャジーラがカウンターから掴む。54分、ウレタビスカヤが右サイドを攻略してマイナスのクロスを入れ、サンチェスがこれを受けてフィニッシュまで持ち込んだ。
瞬間的なスピードアップが効果を発揮するパチューカの攻撃に対し、アルジャジーラはリズムが一定であり、エリア内に再三ボールを運ぶも相手DFにはね返され続けていた。しかし57分、ロマリーニョの個人技からGKとの1対1の決定機を迎える。
ここでのシュートはブランコにセーブされるも、はね返りを中央でブスファが詰める。すると、今度はゴールライン上でDFがブロック。パチューカの粘りの守備が続いたものの、次のこぼれ球をアルレジが叩くと、今度こそゴールネットに突き刺さり、アルジャジーラが追い付いた。
ようやく積極的な攻撃が実った開催国代表だが、リードは3分しかもたなかった。カウンターを受け、サガルに右サイドを抜け出されると、彼からのグラウンダーのクロスをハラに合わせられ、あっさりと勝ち越しを許したのである。
再びリードを奪ったパチューカは、62分にも分厚い攻撃で立て続けに好機を迎え、最後はアギーレが強烈なミドルを放つが、これはコースが甘く、アルセナーニにセーブされる。その後もカウンターから、76分にハラ、78分にサガルが好機を掴んだ。
そして79分、交代でピッチに立ったばかりのデラロサがスルーパスで完全に抜け出し、GKの飛び出しにも冷静さを失わずにシュートを決め、パチューカのリードを2点に広げる。さらに84分には、右からのクロスに合わせようとしたサンチェスが倒されてPK獲得。これをサガルが決め、パチューカは安全圏に入った。
アルジャジーラの攻撃を、要所を締めた守備で封じ続け、残り時間で追加点を許さなかったパチューカは、2008年(ガンバ大阪に敗れて4位)を上回るクラブ史上最高成績の世界3位の座を手にした。そんな歴史を作ったチームを、本田は90分間、ベンチから見守り続けた。
パチューカは2試合連続で延長戦を戦い、アルジャジーラは短期間で3試合をこなすなど、ともに体力的にはかなりハードな状況で迎えた最後の一戦。準決勝グレミオ戦で絶大な存在感を示した本田圭佑は、疲労を考慮されてか、ベンチで試合開始を迎えた。
最初にボールを支配したのはパチューカ。開始3分で、R・ロペスの右クロスからハラがニアでヘディングシュートを放つというチャンスを迎え、その後もしばらくはポゼッションでは上回り続けた。
しかし、アルジャジーラも負けていない。5分にロマリーニョがドリブルで長距離を進んで相手ゴールに迫ると、時間とともにボールを持つ時間が長くなっていく。レアル・マドリー戦では守備にほとんどの時間を割かれた開催国代表は、積極的に攻撃を仕掛けていった。
少ない人数ながらも正確にボールを繋ぎ、パチューカの守備を崩そうと試みるアルジャジーラ。その長短のパスの質は、相手のそれよりも高く、準決勝とは異なる魅力を披露する。
ただ、決定機の数ではパチューカが上。12分にサガルのクロスをサンチェスがフリーで合わせ(わずかに枠外)、16分にはウレタビスカヤのFKが壁に入った相手選手の頭に当たって軌道が変わり、左ポストを叩く。はね返りをさらにムリージョがダイビングヘッドで詰めたが、ボールはクロスバーを越えた。
23分にもハラのフリーでのヘッド、30分には多重攻撃からサガルがペナルティーエリア内で強烈なシュートを放つも、いずれもゴールマウスを捉えられない。その2分後、逆にロマリーニョからマブクートにスルーパスを通され、相手に最初の得点機を与えたが、これをGKブランコの好守でしのぐと、間もなくしてようやく待望の瞬間を迎える。
37分、ハラがハーフウェーライン付近でスルーパス。これを受け、懸命に足を伸ばすDFを置き去りにしたウレタビスカヤは、飛び出してきたGKアルセナーニの動きを見ながら冷静に左足のアウトサイドでゴールに流し込んだ。
リードを奪ったパチューカは、41分にもサガルがフリーでヘディングシュートを放つという決定機を迎えた。一方、アルジャジーラは終盤には全体の動きが少なくなり、相手の攻勢を許したまま前半終了を迎えた。
後半、立ち上がりから攻勢に立ったのはビハインドを負うアルジャジーラ。しかし、最初のチャンスはアルジャジーラがカウンターから掴む。54分、ウレタビスカヤが右サイドを攻略してマイナスのクロスを入れ、サンチェスがこれを受けてフィニッシュまで持ち込んだ。
瞬間的なスピードアップが効果を発揮するパチューカの攻撃に対し、アルジャジーラはリズムが一定であり、エリア内に再三ボールを運ぶも相手DFにはね返され続けていた。しかし57分、ロマリーニョの個人技からGKとの1対1の決定機を迎える。
ここでのシュートはブランコにセーブされるも、はね返りを中央でブスファが詰める。すると、今度はゴールライン上でDFがブロック。パチューカの粘りの守備が続いたものの、次のこぼれ球をアルレジが叩くと、今度こそゴールネットに突き刺さり、アルジャジーラが追い付いた。
ようやく積極的な攻撃が実った開催国代表だが、リードは3分しかもたなかった。カウンターを受け、サガルに右サイドを抜け出されると、彼からのグラウンダーのクロスをハラに合わせられ、あっさりと勝ち越しを許したのである。
再びリードを奪ったパチューカは、62分にも分厚い攻撃で立て続けに好機を迎え、最後はアギーレが強烈なミドルを放つが、これはコースが甘く、アルセナーニにセーブされる。その後もカウンターから、76分にハラ、78分にサガルが好機を掴んだ。
そして79分、交代でピッチに立ったばかりのデラロサがスルーパスで完全に抜け出し、GKの飛び出しにも冷静さを失わずにシュートを決め、パチューカのリードを2点に広げる。さらに84分には、右からのクロスに合わせようとしたサンチェスが倒されてPK獲得。これをサガルが決め、パチューカは安全圏に入った。
アルジャジーラの攻撃を、要所を締めた守備で封じ続け、残り時間で追加点を許さなかったパチューカは、2008年(ガンバ大阪に敗れて4位)を上回るクラブ史上最高成績の世界3位の座を手にした。そんな歴史を作ったチームを、本田は90分間、ベンチから見守り続けた。