ベテランの気迫に誰もが感服! 柏を勝つ集団へと押し上げる鎌田次郎の魂のプレー

カテゴリ:Jリーグ

鈴木潤

2017年11月20日

勇猛果敢なプレーがチームを窮地から救った。

磐田戦で勇敢なファイトを見せた鎌田。5試合ぶりの勝利に大きく貢献した。写真:田中研治

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 試合終了直後、恒例のトラメガパフォーマンスのため、サポーターから名前を連呼されゴール裏へと引き入れられたのは、決勝弾になるオウンゴールを誘発した伊東純也でも、ビッグセーブを連発した中村航輔でもなく、3試合ぶりにスタメン出場を果たした鎌田次郎だった。
 
 鎌田は、柏を終始苦しめたアダイウトンに対し、球際の激しいブロックでパワフルな突進を食い止めたかと思えば、後半には味方のビルドアップのミスから受けた不意を突くショートカウンターでも、川又堅碁の前に身を投げ出してシュートを阻止した。柏のピンチには必ず背番号2の姿があり、彼の勇猛果敢なプレーがチームを窮地から救った。
 
「非常に素晴らしかった。後ろからの組み立てでも期待している部分はあるが、それ以上のものを守備の面で身体を張り、周りに声をかけて鼓舞して発揮してくれた」
 試合後の会見では、下平隆宏監督も鎌田への賛辞を惜しまなかった。
 
 この磐田戦の前まで、柏は直近のリーグ戦4試合で勝ち星がなく、その原因の多くは4戦で7失点を喫した守備面にあった。
 
「最近の失点を見ると、球際の勝負やセカンドボールとか、戦術とはあまり関係ないところでやられている部分が多い」
 戦前、キャプテンの大谷秀和もチームが抱える守備の問題点をそのように指摘した。
 
 そして、水曜日のトレーニングで中谷進之介が負傷。それを受けて鎌田に出場機会が巡ってきた。鎌田は大谷同様、4戦未勝利の原因のひとつとして、球際の激しさ、勝利への執着心がチームに欠けていることを指摘し、そのうえで「自分がそういうものを見せられればいいし、若手にはそういう部分をもっと上げていってほしい」と意気込みを口にしていた。
 
 柏のアカデミー出身選手たちは、子どもの頃からポゼッションという戦術の中で育っているため、戦術眼に優れ、技術レベルも非常に高い。したがって自分たちのスタイルで試合が運べた時には無類の強さを発揮する反面、劣勢に陥った時、あるいはプラン通りに試合が運べなかった時には耐えきれずに、あっけなく失点を喫して敗れるケースが目立つ。それがチームの好不調の波の激しさを生じさせるとともに、終盤戦に入って順位を急降下させた失速の引き金にもなったのである。
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